2012年11月11日

藤塚の一里塚

藤塚の一里塚隆起した国道18号跡から高崎へ向かって土手下の道を400mほど歩くと、群馬県で唯一現存する一里塚「藤塚の一里塚」があります。

しかし、こちら側から見ると目立たないものですね。

藤塚の一里塚国道の向こう側に見えるのが北の一里塚、こちら側の大きな椋の木が立っているのが南の一里塚です。

南の一里塚の根元には、いくつかの石祠や石塔が建っています。

藤塚の一里塚左から二つ目の石祠の中には「八坂神社」の木札が納められており、左側面には「三豊岡邨(むら)」と刻まれていて、この塚が豊岡村分であったことが分かります。

藤塚の一里塚北の一里塚上には大きな木の代わりに鳥居とお社が建っています。

中山道が国道になり、その後の拡幅工事もあり、その度に北へ北へと移設されて、現在の姿になったのでしょう。

藤塚の一里塚
鳥居には「浅間神社」、社には「富士山」の額が掲げられています。

ここには昔から「富士浅間社」が祀られていたので、この塚を「富士塚」と呼び、字名の「藤塚」もここからきたものだということです。
そのことから、北の一里塚八幡村藤塚分となっていました。

ここには「一里塚」を示す看板が立っていませんので、それと知らずに前を通り過ぎる人も多いようです。

藤塚の一里塚南の一里塚の東側には、「群馬県指定 一里塚」の石柱と解説版が、草に埋もれそうに建っています。

藤塚の一里塚この解説板はなかなかよくできていて、中山道のこと、一里塚の基礎知識、この一里塚の整備の過程が分かりやすくまとめられています。
しかし、どうも耐候性には欠けるようで、不鮮明になりつつあります。
材質などを再検討して、もう一度整備して頂けないものでしょうか。
併せて、車を運転している人にも分かるような大きな表示を、国道側に向けて建って頂けたらなおいいのですが。

藤塚の一里塚最近は、街道歩きを楽しむ方が増えてきたようで、国交省でもそれを意識して一里塚周辺の整備をしているようです。
街道らしく松をたくさん植えて、植栽の仕方も工夫した跡が見えます。

しかし残念ながら、排気ガスのせいか枯死した松も何本かあり、モニュメントとして配置した石も、伸びた草に覆われています。
現存する群馬県内唯一の一里塚で、県指定史跡にもなっている場所なので、景観的にもいまひとつ力を入れて欲しいところです。

併せて、「倉賀野の一里塚」「九蔵町の一里塚」の跡にも、説明板を設置して欲しいと思います。
そういえば、「九蔵町の一里塚」の記事に、野火止次郎さんという方からコメントを頂いたことがあります。
この方は、中山道一里塚について研究されていて、その成果をHPで公開してらっしゃいます。
 ◇「中仙道一里塚の研究」

藤塚の一里塚ところで皆さん、一里塚から東へ750mほど行ったところに、こんな木橋がかかっているのをご存知でしょうか。

中豊岡乗附を結ぶ橋なので、「中乗橋」(なかのりばし)といいます。

高崎で木橋というと、「佐野橋」はよく知られているのですが、「中乗橋」は土手に上らないと見えないので、もしかすると知らない方も多いかも知れません。
かつては、少林山のだるま市というと、みんなここを行き来するので、すぐ脇にもう一本仮設の橋を渡して、一方通行にしたといいます。

藤塚の一里塚この橋からの眺めが、けっこう素敵なんですよ。

ぜひ一度、お散歩コースに入れてみて下さい。

ただし、橋を渡った先にちょっと不気味なものもあるので、あまり薄暗くなってからはやめた方がいいかも・・・。


【藤塚の一里塚】

【中乗橋】





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Posted by 迷道院高崎 at 09:55
Comments(6)中山道
この記事へのコメント
へーッ!の連続です。
近くまで散歩に行くことはあっても、有名な一里塚は一体どこなのか、わからないままでした。
北と南とふたつ一里塚があるのですか。
近くに木橋があるなんて、想像もできませんでした。
天気が良くなったら早速確認に行ってみます^^。
Posted by 風子風子  at 2012年11月11日 22:19
>風子さん

この間の七宿めぐりの皆さんも、一里塚には目もくれずにどんどん歩いていました(^_^)
ここを休憩所にすればよかったのに、と思いましたが。

いま植えられている松の木が、安中の杉並木のようになったら素晴らしいでしょうね。
それまで、上手に育てて欲しいと思っています。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年11月12日 08:13
浅間山の神様、磐長姫命をお祀りする浅間神社が信濃追分にありますが、こちらは富士山の神様、木花咲耶姫命をお祀りしているのですね。


八千代橋と鼻高橋の間にある橋も今回の記事で初めて知りました。土手に上がらないと見えないので本当に盲点でした。
この橋を改めて地図で探してみたら、川を渡る道筋はあるものの名称の記載が無く、橋の記号もないので潜水橋(沈下橋)或いは仮橋みたいな扱いになっているのでしょうか。
Posted by ふれあい街歩き  at 2012年11月12日 20:55
>ふれあい街歩きさん

あ、浅間神社でも浅間山と富士山では祭神が違うんですか。
藤塚は、浅間山の方が近いのに、富士山なんですよね。

中乗橋は、確かに地図にも親柱にも橋の名前が書いてありませんね。
沈下橋でも仮橋でもないんですけど、大雨でも降るとけっこう危ない感じがします。
でも、ま、佐野橋とともに残したい橋ではありますね。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年11月12日 22:31
藤塚の一里塚の場所がようやくわかりましので、記事にいたしました。
毎度すみません。リンクさせて頂きました。
木の橋は、またの機会に見に行きたいと思っております。
Posted by 風子風子  at 2012年11月17日 01:57
>風子さん

見ました、見ました!
さすがに、写真がきれい!
椋の木の葉も色づいて、きれいになってますね。
リンク、ありがとうございました。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年11月17日 09:45
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