2012年06月20日

上州弁手ぬぐい物語(3)

「上州弁手ぬぐい」を作った経緯は、作っちゃったんさねー「上州弁手ぬぐい」で簡単にお話ししましたが、今日はもう少し詳しいお話しを。

前回でも書いたように、「上州弁番付表」は今一つ、高崎の商店の人に喰い付いて頂くことはできませんでした。
そこで、次に思いついたのが「上州弁番付表」「手ぬぐい」にすることでした。
「手ぬぐい」ならば、お土産という商品として取り扱って頂けるのではないか、そんな気持ちがあったからです。

「上州弁番付表」「手ぬぐい」にしてもらえないか、そんな話を中村染工場さんに持ちかけたのは、たしか、平成二十二年(2010)の秋に高崎スズランで開催された「大群馬展」の時だったと思います。
その時は立ち話程度でしたが、後日、工場へお伺いして相談に乗ってもらうことに致しました。

上州弁手ぬぐい物語(3)「このまま、手ぬぐいにするのはまず無理です。」というのが、中村さんの第一声でした。
もともと文字の染め型を作るというのが難しいうえに文字が小さすぎ、滲んで文字が読めなくなってしまうので、「注染」では難しいというのです。

といって、「プリント印刷」で作る気はさらさらありませんでした。
そんなことをしたら、そもそもの「高崎の素晴らしさをPRする。」という目的から外れ、意味が無くなってしまいます。
上州弁手ぬぐい物語(3)
そこで、全国の「方言手ぬぐい」を、ネットで探してみました。

すると、あるある、けっこう全国にあるじゃありませんか。
それらをプリントアウトして、中村染工場さんに見せに行きました。

「これは注染じゃないな。これは注染かも知れない。」という中村さんの判定を聞きながら、「あー、これいいねー。」と二人で一致したのが、「山形ことば」「酒田地方の方言」手ぬぐいでした。
「山形ことば」は文字だけでなく、素朴なイラストとの組み合わせが、実にいい感じです。
「酒田地方の方言」には、字を大きくして入れられる言葉が少なかったら、第一集、第二集・・・と出していけばよいというヒントを与えられました。

さて、そこでハタと困ったのがイラストです。
上州高崎を端的に表すイラストは、いったい何だろうということです。
鶴?観音様?だるま?上毛三山?旅人姿?国定忠治?
だいたい、子どもの頃から図工で3以上もらったことがない私に、イラストなんて描けっこない。
うーーん。

こんな時、自分に出来ないことは人に頼んじゃうというのが迷道院流でして、頭に浮かんだのが観音山を愛するグンブロガー・蓮明さんだったという訳です。

上州弁手ぬぐい物語(3)イラストは「暖簾みたいに使えるデザインを。」というお願いをして蓮明さんに、上州弁の部分は私が担当して、最終的に決まった図案がこれです。

群馬県を象徴する「上毛三山」と、全国シェア8割で生産量日本一を誇る高崎だるまを配したデザインです。

山の形をデフォルメし、敢えて山の名前も入れず、だるまに書かれた一文字で、あとから「あー、そういうことね。」と言わせるデザインは、私の気質をよく理解して頂いております。
これを引っ提げて、またぞろ中村染工場さんに押し掛けたのが、平成二十三年(2011)六月の暑い日でした。

上州弁手ぬぐい物語(3)その後、文字の大きさについてさらに調整を重ね、中村さんがコンピュータで仕上げた図案に、「これでいきましょう!」と最終決定したのは、平成二十四年(2012)二月のことでした。

さて、いよいよ染め型を作り、染めに入るところまで来ましたが、そのお話しはまた次回。





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Posted by 迷道院高崎 at 07:42
Comments(8)◆上州弁手ぬぐい
この記事へのコメント
迷道院高崎さん

面白いもの作りましたね。

市内のお店・商家にこんなのが掛っていたら
楽しいですね。

ウチでも早速。
Posted by 元氣が一番!  at 2012年06月20日 08:17
へー、全国には「方言手ぬぐい」が沢山あるのですね。
おもしろい!

煙たなびく浅間山も見えるし、楽しいデザインを
考えて頂けましたね。
友人も「染めがきれい!」と、お気に入りでした^^。
Posted by 風子風子  at 2012年06月20日 09:37
>元氣が一番さん

おーっ、ありがとうございます!

「ここは似合いそうだなぁ。」と思うお店がありましたら、ぜひお奨め下さい。
よろしくお願い致します!
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年06月20日 18:27
>風子さん

ある人から、「上州弁の手ぬぐいって、何で今までなかったんでしょうねー。」と言われました。

絶滅しそうだった上州弁が、あのデザインと染めのおかげで、新しい命を吹き込まれたような気がします。

これから大きく成長して、永く愛されていって欲しいと願っています。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年06月20日 18:37
同じ、上州でも言葉の意味が異なりますね。

街と田園地帯との違いもありますが、

ところで迷道院高崎さんの所では

煮ぼうと、おっ切り込み、ほうとう、その他
どんな名称で普通言っていますか?
Posted by wasada49  at 2012年06月22日 09:02
>wasada49さん

上州弁も地方によってずいぶん違います。
学問的に研究されている方の本を読んでも、まるで違う県の言葉のようなのもあります。
きっと、ある地方の言葉が伝播して広まったりり、移住者の方言が交じり合ったりしたということもあるんでしょうね。

私の家では、「おきりこみ」でしたね。
小さい「つ」は入りません。
翌日温め直したものは「たてっけえし」です。

この「たてっけえし」を、高崎の名物にしたいんですけどね。
ま、飲食店で昨日作ったものを出す訳にはいかないでしょうから、厳密に言えば「たてっけえし風おきりこみ」になるんでしょうけど。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年06月22日 19:49
見ましたよ、会議所広報。
有名人なのに実名不明。
でも、ほんと、余力のない高﨑商人に代わって
大好きな「高﨑」PR、うれしいです。

新井重雄君や中村純也君・・・
ま、新井ちゃんは高﨑市民ではないですが、いい青年たちとのコラボ、恐れ入ります。

今日もラジオ高崎の番組で、音楽センター&群響の歴史、聞いていました。

中央小開校120周年の折、「ここに泉あり」の映画上映を、今は亡き茂木正男さんの講演付きでおねがいしたり、高階先生に講演いただいたり、ちょっとまえの楽しい思い出がよみがえりました。中途半端な高崎愛好者ですが、ほんと、うれしくて。
Posted by higeoyaji  at 2012年06月23日 19:45
>higeoyaji様

いえいえ私は有名人ではなく、夢迷人(むめいじん)です。
実力もなく他力本願で生きてますが、有難いのは不思議なご縁を頂いてることです。

音楽センターを愛する会の水上勝之さんとも、つい先日不思議なご縁でつながったばかりです。

これからも、こういうご縁を大切にしていきたいと思っております。
higeoyaji様とのご縁も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年06月23日 20:39
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