2018年08月05日

史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

吉井町小棚公民館から40mほど東へ行くと、吉井大橋から来る道に出ます。
そこから60mほど南へ行くと、右前方にお堂らしき屋根が見えてきます。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

民家の塀に沿って小道を入ると、「小棚薬師堂」の前に出ます。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

堂の中に祀られている薬師像の数の多さが、地域の人々の信仰の深さを物語っているように思います。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

この辺りは、中世の時代「小棚城」というのがあったようで、現在もその輪郭を残しています。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

鏑川に架かる「吉井大橋」から来る道を跨ぐ、「城裏橋」という名前の橋があります。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

「吉井大橋」は昭和十四年(1939)の架橋で、その時に崖地を切り通して道ができたのでしょう。
「吉井大橋」ができるまでは、「城坂」(図の「城板」は誤り)を通って河原へ降り、「穴岡の渡し」を舟で渡ったということです。

図の一番下に「西城橋」というのがありますが、これは「二丈橋」でしょう。
「にじょう」「にしじょう」と見立てたのでしょうが、位置的にも城の西ではありません。
橋の高さが二丈=約6mということで「二丈橋」なのだと思います。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

北西の一番奥まったところが「郭八幡」となっていますが、行ってみると石祠などが建っています。
石垣の一段高い所に、「八幡社」でも祀ってあったのでしょうか。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

その東に、城主であったという布瀬川家の大きな建物が残っています。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

その東は広い農地になっていて、「物見塚」と思しきちょっと高くなっているところが見えます。
この高さでは物見にはならないでしょうから、きっと昔はもっと高くて大きい古墳か何かだったのでしょう。
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂

それにしても、吉井という所は古墳や城跡のなんと多い所でしょう。
古代からの重要な土地柄だったということが、よく分かります。


【小棚薬師堂】
史跡看板散歩-103 小棚薬師堂





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この記事へのコメント
異常な猛暑が続きます。この天候にもかかわらずに、精力的な吉井探索を続けておられることに敬意を表します。小棚城址の古地図と現在の航空写真があまりにピッタリで感心しました。

日高病院にいたころ、線路を挟んだ西側の前中尾集落の某氏と親しくなりました。すでに鬼籍に入られてしまいましたが、氏が公民館長時代にまとめた資料を見せられた時と同じ印象を受けました。

前中尾は弥生時代には集落の原型は出来上がっていたようです。その後中世には周りを堀で囲んだ豪族の館のようなものが建てられたらしい。その古地図と現在の部落の道があまりにピッタリだったの印象的です。近くに国指定の日高遺跡があり、この辺りはどこを掘っても水田跡が出てきます。日高病院が建っている場所も、建設前の発掘調査で撮影した写真にあぜ道と人の足跡がはっきりと写っていました。
前中尾の村落に入ると、どこを掘っても土器の欠片が出てくるそうです。平安時代には前中尾の集落に住み着いた人々が日高遺跡にかけての水田でコメを作っていたことがはっきりと見て取れます。
古いと言ってもたかだか2000年、悠久の地球の歴史に比すれば殆ど夕べの出来事。古代人の生活の痕跡は今に繋がっているのだなと感じ入っております。
Posted by toboketaG  at 2018年08月05日 17:04
>toboketaGさん

まったく、この暑さには探索の足も鈍りがちです。

開発で昔の痕跡が全く消えてしまった所がある一方で、よく残っているなぁと驚く所がありますよね。
そんな所は、歩いていても楽しいです。

日高遺跡も、史跡公園としてよく保存されていますね。
私もあの近くの会社で禄を食んでたことがありますが、弥生人の足跡が見つかったという時は、見に行きました。
土の中は天然のタイムカプセルですね。
1000年後の地面の中からは何が出てくるんでしょうか。
心配ですね。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2018年08月05日 21:07
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