前回に続き、昭和55年(1980年)に高崎観光協会から発行された「高崎市観音山観光診断に基づく提案レポート」の話である。
レポートでは、「観光資源の有機的な結びつけ」ということについて、次のように述べている。
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「観光」は一方では人間の労働の再生産の場として求められるとともに、他の一方では、意外に正しく理解されていないことであるが、地域経済に貴重なプラスを与える「重要産業」である。
とすれば、この観音山を中心とした資源をいかに活かすかは、将来の高崎市にとって、極めて重要な課題であると考えるのである。
加えて、地域内の観光要素もまったく有機的に関連付けられていない部分も多く、この再発見や、開発が強く求められると考えるのである。
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その観点から、次のような「観光コース」の整備を提案している。
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「寺社を結ぶ信仰、縁起コース」
山名八幡宮、白衣観音、清水寺、少林山等を結んだ新しい「観音山札所巡り」や、「七福神巡り」的な(略)コースをつくり、アピールすべきではなかろうか。
(迷道院)自然遊歩道(石碑の路)を、巡礼姿で踏破するというコースもよいかも知れない。
レポートの中では、
・石碑の路での拓本体験
・慈眼院での写経体験
・少林山での座禅体験
などと組み合わせてはどうかという提案もされている。
「観光農園・果樹園コース」
国立コロニーの南西部背面から鼻高地区にかけて広がる高原的斜面は、山名から白衣観音、少林山達磨寺を結ぶ状態の良い車の道路があり、これに沿って、農園、山林、農村が散在している。
(略)管理棟、および休憩施設等を整え、もっと名物化すべきであろう。
(迷道院)鼻高には「長坂牧場」もある。今、ちょっとしたブームになっている滞在型農園としても、素晴らしい環境を持っているのではないだろうか。
「味の観光コース」
少林山達磨寺は、白衣観音と並んでこの地域の最大の観光要素の一つである。
特に圧巻なのは「黄檗普茶料理」である。
山名八幡、清水寺、慈眼院等においても、このぐらい価値ある「味の観光」を創造していただきたいと考えるのである。
(迷道院)残念ながら、少林山の普茶料理は現在休業中とのことであるが、地元の安心食材を使った料理、豊富な山菜・野草の料理など、今こそ観光客の求めているものではないだろうか。
「遺跡、史跡めぐりコース」
高崎周辺もまた、(略)縄文・弥生時代の遺跡・古墳がきわめて多い地域である。
これは、そのままでは単なる考古学的資料としての存在であるが、観光ソフトウェアの開発次第で有力な文化観光要素たり得るのである。
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実は、高崎市のHPでは、このような視点での「高崎めぐり」というコンテンツを既に設けているのである。
ただ、惜しむらくは、これが単なる「ご案内」に留まっているところだ。
高崎への観光リピーターを惹きつけるには、もう一歩の工夫が欲しい。
たとえば、これらのコースを「スタンプラリーコース」として設計し、ちょうど人々が「百名山」や「札所巡り」に数年かけて挑戦するように、各コースの観光ポイントを制覇した暁には高崎の名産品を贈呈するというような企画にすれば、もっと観光リピーターの来高が期待できるのではないだろうか。
現在は「点」でしかない観光スポットを、「線」で結ぶということは、個々の施設ではなかなか難しかろう。
ここにこそ、行政の力が期待されるのである。
もちろん、市民の力も結集しなければならない。
さて、次回は「観音山の宿泊観光化」の提案について、ご紹介しよう。
レポートでは、「観光資源の有機的な結びつけ」ということについて、次のように述べている。
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「観光」は一方では人間の労働の再生産の場として求められるとともに、他の一方では、意外に正しく理解されていないことであるが、地域経済に貴重なプラスを与える「重要産業」である。
とすれば、この観音山を中心とした資源をいかに活かすかは、将来の高崎市にとって、極めて重要な課題であると考えるのである。
加えて、地域内の観光要素もまったく有機的に関連付けられていない部分も多く、この再発見や、開発が強く求められると考えるのである。
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その観点から、次のような「観光コース」の整備を提案している。
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「寺社を結ぶ信仰、縁起コース」
山名八幡宮、白衣観音、清水寺、少林山等を結んだ新しい「観音山札所巡り」や、「七福神巡り」的な(略)コースをつくり、アピールすべきではなかろうか。
(迷道院)自然遊歩道(石碑の路)を、巡礼姿で踏破するというコースもよいかも知れない。
レポートの中では、
・石碑の路での拓本体験
・慈眼院での写経体験
・少林山での座禅体験
などと組み合わせてはどうかという提案もされている。
「観光農園・果樹園コース」
国立コロニーの南西部背面から鼻高地区にかけて広がる高原的斜面は、山名から白衣観音、少林山達磨寺を結ぶ状態の良い車の道路があり、これに沿って、農園、山林、農村が散在している。
(略)管理棟、および休憩施設等を整え、もっと名物化すべきであろう。
(迷道院)鼻高には「長坂牧場」もある。今、ちょっとしたブームになっている滞在型農園としても、素晴らしい環境を持っているのではないだろうか。
「味の観光コース」
少林山達磨寺は、白衣観音と並んでこの地域の最大の観光要素の一つである。
特に圧巻なのは「黄檗普茶料理」である。
山名八幡、清水寺、慈眼院等においても、このぐらい価値ある「味の観光」を創造していただきたいと考えるのである。
(迷道院)残念ながら、少林山の普茶料理は現在休業中とのことであるが、地元の安心食材を使った料理、豊富な山菜・野草の料理など、今こそ観光客の求めているものではないだろうか。
「遺跡、史跡めぐりコース」
高崎周辺もまた、(略)縄文・弥生時代の遺跡・古墳がきわめて多い地域である。
これは、そのままでは単なる考古学的資料としての存在であるが、観光ソフトウェアの開発次第で有力な文化観光要素たり得るのである。
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実は、高崎市のHPでは、このような視点での「高崎めぐり」というコンテンツを既に設けているのである。
ただ、惜しむらくは、これが単なる「ご案内」に留まっているところだ。
高崎への観光リピーターを惹きつけるには、もう一歩の工夫が欲しい。
たとえば、これらのコースを「スタンプラリーコース」として設計し、ちょうど人々が「百名山」や「札所巡り」に数年かけて挑戦するように、各コースの観光ポイントを制覇した暁には高崎の名産品を贈呈するというような企画にすれば、もっと観光リピーターの来高が期待できるのではないだろうか。
現在は「点」でしかない観光スポットを、「線」で結ぶということは、個々の施設ではなかなか難しかろう。
ここにこそ、行政の力が期待されるのである。
もちろん、市民の力も結集しなければならない。
さて、次回は「観音山の宿泊観光化」の提案について、ご紹介しよう。