常磐町の「岡醤油醸造」の斜向かいにあります。
普通の民家に見えるこの家の母屋には1万4千冊の図書があり、一般の人が自由に閲覧・貸し出しをしてもらえます。
その他、別棟二棟の土蔵内には3万冊を超える蔵書があります。
右の写真の煉瓦塀を見れば、
「あぁ、あそこか。」と分かる方も多いでしょう。
山田勝次郎・とく夫妻が自宅に開設した、財団法人「山田文庫」です。
私はずっと、資産家の所有する図書を一般開放したのであろう位に思っていましたが、それはとんだ思い違いでした。
昭和四十九年(1974)発行の、「山田文庫」設立趣意書を見ると、県下学校の図書予算が僅かなために、児童生徒が充分な読書が出来ないことを憂いて、資金協力することを目的としています。
以来、平成十七年(2005)までの31年間で、250校に5千万円を超える助成をしたといいますから、凄いことです。
その資金として、当初は妻・とくさん名義の土地1300万円と預金50万円を基本財産として発足したそうです。
夫の勝次郎氏は「山田文庫」設立の8年後に逝去しますが、その遺言で、社長を務めた高崎倉庫(株)の持ち株と、常磐町の土地建物、合わせて1億100万円を「山田文庫」に寄付しました。
更に平成二年、とくさんが逝去した時にもその遺言で、飯塚町の土地と持ち株、合わせて1億2000万円を寄付しています。
また、高崎倉庫(株)への土地賃貸料まで、「山田文庫」に充てているのです。
ということで、当初は学校への図書購入助成事業だった訳で、ここが図書館として一般開放されたのは平成三年(1991)と、意外にも最近のことなのです。
その図書は、高崎倉庫(株)で社員向けに貸し出していた、勝次郎氏所蔵の本1000冊以上を移設したのだそうです。
「山田文庫」の存在をご存知の方でも、中まで入った方は案外少ないのではないでしょうか。
そういう私も、初めて中へ入りました。
入り口から、というよりも庭から居間へという感じで中に入ると、これまた図書館というよりも事務所のような感じです。
大きな閲覧用のテーブルが置いてあって、ボランティアの女性がお茶まで入れて下さいます。
常連さんが来ると話が弾んで、サロンのようになるといいます。
こんな図書館があってもいいですよね。
でも、意外と本が少ないんだなと思っていたら、「奥にもありますからどうぞ。」と、案内して下さいました。
細い廊下を進むと、意外と奥が深く、迷路のようになった3つの部屋に、所狭しと本が並んでいました。
プロレタリア研究者であった勝次郎氏らしい図書も並んでいますし、鞍馬天狗の大ファンだったという勝次郎氏らしい本もあります。
蔵書に無くても、リクエストをすれば予算内で購入もして頂けるそうです。
まだお話ししたいことがあるのですが、長くなってしまいました。
次回、続編としてお話したいと思います。
普通の民家に見えるこの家の母屋には1万4千冊の図書があり、一般の人が自由に閲覧・貸し出しをしてもらえます。
その他、別棟二棟の土蔵内には3万冊を超える蔵書があります。
右の写真の煉瓦塀を見れば、
「あぁ、あそこか。」と分かる方も多いでしょう。
山田勝次郎・とく夫妻が自宅に開設した、財団法人「山田文庫」です。
私はずっと、資産家の所有する図書を一般開放したのであろう位に思っていましたが、それはとんだ思い違いでした。
昭和四十九年(1974)発行の、「山田文庫」設立趣意書を見ると、県下学校の図書予算が僅かなために、児童生徒が充分な読書が出来ないことを憂いて、資金協力することを目的としています。
以来、平成十七年(2005)までの31年間で、250校に5千万円を超える助成をしたといいますから、凄いことです。
その資金として、当初は妻・とくさん名義の土地1300万円と預金50万円を基本財産として発足したそうです。
夫の勝次郎氏は「山田文庫」設立の8年後に逝去しますが、その遺言で、社長を務めた高崎倉庫(株)の持ち株と、常磐町の土地建物、合わせて1億100万円を「山田文庫」に寄付しました。
更に平成二年、とくさんが逝去した時にもその遺言で、飯塚町の土地と持ち株、合わせて1億2000万円を寄付しています。
また、高崎倉庫(株)への土地賃貸料まで、「山田文庫」に充てているのです。
ということで、当初は学校への図書購入助成事業だった訳で、ここが図書館として一般開放されたのは平成三年(1991)と、意外にも最近のことなのです。
その図書は、高崎倉庫(株)で社員向けに貸し出していた、勝次郎氏所蔵の本1000冊以上を移設したのだそうです。
「山田文庫」の存在をご存知の方でも、中まで入った方は案外少ないのではないでしょうか。
そういう私も、初めて中へ入りました。
入り口から、というよりも庭から居間へという感じで中に入ると、これまた図書館というよりも事務所のような感じです。
大きな閲覧用のテーブルが置いてあって、ボランティアの女性がお茶まで入れて下さいます。
常連さんが来ると話が弾んで、サロンのようになるといいます。
こんな図書館があってもいいですよね。
でも、意外と本が少ないんだなと思っていたら、「奥にもありますからどうぞ。」と、案内して下さいました。
細い廊下を進むと、意外と奥が深く、迷路のようになった3つの部屋に、所狭しと本が並んでいました。
プロレタリア研究者であった勝次郎氏らしい図書も並んでいますし、鞍馬天狗の大ファンだったという勝次郎氏らしい本もあります。
蔵書に無くても、リクエストをすれば予算内で購入もして頂けるそうです。
まだお話ししたいことがあるのですが、長くなってしまいました。
次回、続編としてお話したいと思います。
(参考図書:「山田文庫三十年の歩み」)
【山田文庫】