2010年08月06日

すもの食堂から絹市場へ

すもの食堂から絹市場へ「すもの食堂」の改装工事現場に、「今日もお仕事がんばってね」と、可愛い応援看板が立っていました。

ちょっとお邪魔して、中を覗かせて頂きました。

すもの食堂から絹市場へ すもの食堂から絹市場へ すもの食堂から絹市場へ
ずいぶん整ってきたように思いますが、目標にしていた「高崎まつり」に間に合わず、残念そうでした。

でも、改装中だということを通りがかりの人に見てもらえるように、敢えてシャッターを開けているのだそうです。
もしも、前を通って頑張っている姿が見えたら、激励の声を掛けてあげてください。

すもの食堂から絹市場へ「すもの食堂」から100mほど南へ行くと、高崎市民にはお馴染の「珍竹林(ちんちくりん)画廊」があります。

その脇の小路を挟んで左隣が、「高井京染店」です。
すもの食堂から絹市場へ明治からの老舗の佇まいを残しながら、ウィンドウには、こんなお洒落なディスプレイがされています。↓
すもの食堂から絹市場へ


この、「珍竹林画廊」「高井京染店」の間の小路を入った奥に、戦後しばらくまで「高崎絹市場」があったそうです。↓



この建物は、明治二十七年(1894)に建設されたものですが、もともと高崎藩は城下政策として、旅籠本(もと)町新(あら)町連雀町、そして絹・綿田町と、商いができる場所を制限していました。

元禄三年(1690)から田町「絹市場」で取引されていた「高崎絹」と呼ばれていましたが、群馬・碓氷・多野・北甘楽・埼玉県北部と、広範囲にわたる地域の養蚕農家で生産されていたものです。

農民は、毎月5のつく日と10のつく日に開かれる市に絹を持ちこみ、仲買商に委託して市場で取引をしてもらいます。
取引が終わるまでの間、町で買い物などをして時を過ごすことになるので、市の立つ日は大変賑わったそうです。

すもの食堂から絹市場へその、仲買商のひとつが、先にご紹介した「高井京染店」さんです。

お店にお邪魔して、「絹市場」の痕跡がどこかに残っていないか、奥様に伺ってみました。
「あー、前はそこに説明板が立っていたんですけど、壊れてしまったみたいですね。」
と、仰います。

すもの食堂から絹市場へその説明板というのがこれなんですが、歩道側に背を向けて立っているので、車道側からでないと見えません。(誰に見せようとしているのでしょう?)

金属の説明板が貼ってあるのですが、文字が薄くて、書いてあるのかどうかも分からないくらいです。

画像処理をして、やっと「珍竹林画廊」の由来が書いてあることをご紹介できました。

で、その隣に棒だけ立っているのが、「絹市場」の説明板だったんだそうです。
「珍竹林」さんにも行って、説明板の所在をお聞きしましたが、分かりませんでした。
もしかすると、どなたかが保管しているのかもしれませんが、できれば復元して欲しいものです。

「絹市場」の跡は、現在、広い駐車場になっています。
通りからはほとんど分かりませんが、この駐車場から見ると沢山のが見えることに驚きます。

撮影ポイントを変えながら、まだ残っていたの風景を楽しんでみましょう。
すもの食堂から絹市場へ すもの食堂から絹市場へ すもの食堂から絹市場へ
すもの食堂から絹市場へ すもの食堂から絹市場へ すもの食堂から絹市場へ

皮肉なことですが、通りに面した近代建築が取り壊されたおかげで、奥に残っていた昔の建物が再び姿を現してくれました。
「人間万事塞翁が馬」と言いますが、この言葉は町の姿にも当てはまるようです。

今度こそこれらの建物を活かして、城下町高崎の再生をして頂きたいと、心から願っています。

(参考図書:「新編高崎市史 通史編4」)






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Posted by 迷道院高崎 at 21:03
Comments(11)高崎町なか
この記事へのコメント
隠士、丁寧な取材とご紹介、ご苦労様です。

高崎は、どうも前橋より数歩先に行っているようですね。

こう暑いと町歩きの元気が出てこないのですが、明日は立秋。
涼しい風が立つようになったら、高崎の町歩きに挑戦してみたいものです。

塀の上の猫さん、ナイスショット!

ますますのご精進を祈念いたします。

 夢寅 拝
Posted by 夢寅  at 2010年08月06日 23:27
すもの食堂、床にコンクリが打たれ、格好がついて来たではありませんか。

平均して週2回は仕事も絡めて高崎に行っているのですが、ここ2週間は野球観戦や会社の納涼会などで行けませんでした。

明日は高崎祭りですね。

明日は夜9時まで千葉の船橋で仕事があるので、それが終わってから車で帰るつもりです。

歩いて3分ほどの郷距離なので、日曜にでも、すもの食堂の工事の進捗状況を見てみたいと思いますが、日曜は工事はしてないんですよね(先々週通った時はやっていませんでした)。
Posted by キレイズキ  at 2010年08月06日 23:50
>夢寅さん

毎日、ちょっと暑過ぎですよね。
私も、日が落ち始める頃の取材なので、うっかりするとすぐ写真が逆光や露出不足になっちゃいます。

あの猫ちゃん、何故にあのような鉄条網のところで寝そべっていたのか・・・。
聞いてみたんですが、ニャンとも言いませんでした。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年08月06日 23:59
>キレイズキさん

高崎まつりの時は、さすがに工事はお休みでしょうね。

すもの食堂の蔵は、表からだと一棟だけみたいに見えますが、後ろにもう一棟あるんですよね。
そちらは、まだ全然手が付いてないみたいです。

これからの発展が、とても楽しみです。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年08月07日 00:05
安中市もあちこち歩いていると蔵が目に
入りますが、ほんとうに蔵だらけですねー。

そして、街を活性化するプロジェクトが着々と
進んでいることが
なんとも頼もしく、うらやましいです。

“高崎まつり”出かけてみたいのですが、どうなることやら。
ついでに街歩きもしたいくらいですが、人が多くて無理かも・・・^^。
Posted by 風子  at 2010年08月07日 05:34
>風子さん

今日、明日、高崎の町なかはお祭り一色です。

私も人混みが苦手なので、町へ行く時は恐る恐る、人がいないところ、いないところを縫うように歩きます。
何のためにお祭りへ行くのか、分かりませんね(^^)
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年08月07日 07:07
「高井京染店」は同級生でした。お名前失念しちゃってますけど女の子でした。
たしか3年1組。染物屋さんでは鷲山さんっていう同級生もいましたね。女の子です。

まあ、城下町のなかの商人文化・・・・・
追いかければイロイロ、珍品、奇品、いや、貴品、お宝の類も出てくるんでしょうね。

まあ、明治天皇も泊ったとかの暢神荘なんか、その明治天皇が、御用達に使った「幻の尿瓶」とかのお宝も、ないか(笑)。

さてと、お祭りだぞって、まあ、毎日お祭りみたいなもんですけど。頭ん中(汗)。
Posted by 昭和24歳昭和24歳  at 2010年08月07日 10:34
>昭和24歳さん

ということは、私にとっても同窓生ということですか。

高崎の町は、お宝満載だと思います。
空き蔵を活用した「高崎町なか博物館」でも造って一堂に展示すれば、いい観光スポットになるんじゃないでしょうか。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年08月07日 18:54
お答えします。

高井絹代ちゃん。 
鷲山和代ちゃん。 
だそうです。妻から今聞きました。 


絹市場は子供の遊び場だったそうですね。
Posted by 捨蚕捨蚕  at 2010年08月08日 08:32
捨蚕さんありがとうございました。

思い出せなくてもやもやしていたところなんです。中学の時のアルバムもしまいこんじゃってあるし・・・・・

>絹市場は子供の遊び場だったそうですね。

まあ、高砂町の横丁のガキにすれば、田町とかって、ガキの頃は外国でしたから・・・・
まあ、横丁のおばさんと違って、商いやのオカミサンはそりゃあ貴賓が感じられました、子ども心に。
まあ、子どももそうです、お町の子は違いましたどことなく。
Posted by 昭和24歳昭和24歳  at 2010年08月08日 09:20
>捨蚕さん、昭和24歳さん

昭和24歳さんの記憶力でも思い出せないことがあるんですね(^^)

捨蚕さんの奥さん、さすが!

私の住んでた堰代町は、やっぱりお町じゃないんでしょうね。
山車がありませんでしたから。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年08月08日 20:23
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    コメント(11)