2010年06月13日

号外!「みずむら やよいさん 藍染め展」

号外!「みずむら やよいさん 藍染め展」6月4日付のTAKATAIに、高崎の染色家 “みずむら やよい”さんの藍染め展が、6月10日から15日まで、本町の茶舗・水村園で開かれるという記事が掲載されていました。

お茶屋さんとしての水村園さんは以前から知っていたのですが、藍染めをされる方がいらっしゃるとは知りませんでした。

かねてから、高崎の町名を活かした中心市街地活性化ということを考えていました。
せっかく紺屋町という名前の町があるのに、染物屋さんが無いのを残念に思っていたのですが、紺屋町ならぬ本町にあることを知り、嬉しく思いました。

“みずむら やよい”さんと、そんなお話が出来るといいなと思いながら、藍染め展に行ってみました。

号外!「みずむら やよいさん 藍染め展」店構えはとてもモダンですが、水村園さんの歴史は古く、創業は安政四年(1857)です。
高崎市のHPにも、国登録有形文化財「小見家住宅」として紹介されています。

普段は非公開となっていますが、この期間だけは展示室として蔵の中を見ることが出来ます。

号外!「みずむら やよいさん 藍染め展」店を通り抜けて奥へ行くと、「レンガ蔵」の二階へ上がる、ちょっと急な階段があります。

上がり口の下には、瓦を敷き詰めた洒落た履脱ぎがありました。

号外!「みずむら やよいさん 藍染め展」写真を撮らせて頂けるか訊ねると、お仕事の手を止めてやよいさんがお見えになり、承諾を頂くことができました。

ただ、作品を撮影することは勿論出来ません。
ぜひ、期間中にご自身の眼でご覧ください。

私には、染色の知識も美術的センスもないのですが、その私が見てもただの藍染めではないことが分かります。
私の知る藍染めは、藍色と白のグラデーションの素朴なデザインものですが、ここに展示されているものは、デザインの斬新さもさることながら、赤や金の色を使って塗り上げていて、まるで絵画のような藍染めです。

藍染めに造詣の深いお客様が続く中、知識の無い私は気後れし、目は自然と窓の外の古い建物に向いてしまいます。
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思っていた話も出来ないまま、階下の写真を撮らせて頂いて、おいとましようかと思いました。
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号外!「みずむら やよいさん 藍染め展」写真を撮っていると、やよいさんが「こんなのがあるんですよ。」と、一冊の本を持って来て下さいました。

「想いが残る 思いが残す -上州の歴史的建造物1-」という題です。

ぱらぱらとめくってみると、高崎に残る「豊田屋旅館」「金沢米穀店」「旧・千歳屋旅館」「旧・山源漆器店」、そして「水村園」の歴史的建物が、写真入りで詳しく掲載されています。

レンガ蔵の前に腰かけさせてもらって本を見ていると、水村園小見社長が前を通って行きました。
頃合いを見計らって、「素敵な建物ですねぇ。」と声をかけると、
「いやぁ、古いだけで。」とご謙遜です。
「柳家紫文さんから、社長さんのことをよく伺ってますよ。」と言うと、びっくりされていましたが、そこから俄かに親しみを感じて頂けたようでした。
人のつながりというのは、ありがたいものです。

いろいろお話を伺っている内に、先ほどの本を発行した「上州歴史的建造物所有者の会」の代表者は、何と!やよいさんだというのです。

本の巻頭には、代表であるやよいさんの、こんな言葉が載っていました。

「長年の風雪に耐えた建物が、朽ちて雨ざらしとなり、やがて青いビニールシートがかぶせられ、ショベルカーの轟音と共に一瞬の間に取り壊されていく場面に出会ったことはありませんか。
更地になってしばらくすると新しい建物が建ち、もとの古い建物は人々の脳裏からも消えてゆきます。
そして、画一的で面白見のない町並みに変わっていくことにだれも疑問を感じないまま、今まで長い間をかけて受け継がれ、築き上げられてきた地域独特の歴史を有する大切なものを、いつのまにか失ってきているのです。
(略)
歴史ある建物や、それを支える伝統的技術は、町づくりのための魅力的な資産として、地域社会に寄与し、地域の歴史、文化を継承してゆく大切な宝として考えられるのではないでしょうか。」


しかし同時に、「所有者が、実際に歴史的建造物を維持管理してゆくことの難しさもある」といいます。
そこで、「まずは同じ悩みを持つ所有者が集まって、交流を深め語り合う場として、平成十五年(2003)に設立したのが・・・所有者の会」なのだそうです。

まさに私が、いや私如きが、このブログで訴えてきたことを、実際に行動に移している会があることに、正直驚きました。
いろんな方とのつながりを経て、ついに到着すべき所に辿り着いたという気持ちです。
この会は、「歴史的建造物所有者の会」とはいうものの、所有していない人も会員になれて、いろいろなイベントや勉強会に参加できるのだそうです。
一見(いちげん)さんの私でも参加できるものなのかお聞きすると、検討して後ほどご連絡を頂けるとのことでした。

そんなことで、思いがけず長居をしてしまいました。
ブログの記事も大分長くなってしまいましたが、
「藍染め展」は、6月15日(火)までです。
みなさん、お見逃しないように、お出かけ下さい!

「みずむらやよい工房」HP


【水村園】
号外!「みずむら やよいさん 藍染め展」





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Posted by 迷道院高崎 at 07:19
Comments(5)高崎町なか
この記事へのコメント
藍もインディゴも、ブルーは気分が落ち着いていいですね。
見ると買いたくなるのが困りますが・・・。
私も多色づかいの藍染め作品はまだ、見たことがありません。
煉瓦蔵の様子も素敵ですね。
うーん、なんとかして行かなきゃ・・・!
Posted by 風子  at 2010年06月13日 17:36
続きです ♪ 
大事なことを忘れました。
お昼のNHKニュースで「高崎市が箕輪城跡を
公園として整備することになった・・・」と
言っていましたが、ご覧になりました?うれしいですね^^。
Posted by 風子  at 2010年06月13日 18:51
>風子さん

あー、やっぱり気分が落ち着きますか。
不思議な色ですよね。
私も欲しいものがあるので、期間中にもう一度行きたいと思ってるんですが。

NHKニュースで、箕輪城のことを?
見逃しましたけど、嬉しいです!
最近、何となく高崎市も歴史遺産に力を入れ始めているような気がしてるんですけど(^_^)v

何といってもTVの力は大きいですから、行政としてもどんどん売り込んでいって欲しいです。
市民としては、ブログなどでどんどん情報発信して、行政を応援していく必要があるでしょうね!

ガンバろっと!
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年06月13日 20:21
またまたリンクさせて頂きました。
いつもちゃっかりすみません f^_^;)
Posted by 蓮明蓮明  at 2010年09月21日 21:04
>蓮明さん

もう、どしどしリンクして下さい!
水村園のみなさん、気さくでいいでしょう?
私も、近くへ行くと、ついつい寄りこんでしまいます。

「隠居の思ひつ記」読者のみなさんも、お近くにおいでの節は、どうぞ寄りこんでお茶を頂戴してみて下さい。
美味しいですよー!
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年09月22日 00:38
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