
今回のテーマは、昨年9月に行なった「蚕の懐古展」パートⅡとして、「夏蚕(なつご)」を取り上げます。
「夏蚕って?」と思った方は、ぜひ歴史民俗資料館へ行ってみて下さい。
また、「夏蚕なんて、懐かしい!」と思った方も、どうぞお出かけください。

支柱には、「群馬県富岡町 原富岡製絲所」の文字があります。
明治五年(1872)に操業開始した官営の「富岡製糸場」は、明治二十六年(1893)三井に払い下げられて民間製糸所となりますが、明治三十五年(1902)に横浜の絹貿易商・原富太郎に売却されます。
これが、「原富岡製絲所」です。
そして昭和14年(1939)になって、片倉工業に合併されるのです。

そのアイデアもそうなのですが、よくまぁ、こんなに手間ひまをかけて・・・。
職員の方々の努力と遊び心、訪れる人へのおもてなしの心が、とてもよく分かる展示になっています。

「わたしゃ富岡の 玉きぬ生絹
すゑはいづくで 染るやら」
七・七・七・五の都々逸じゃありませんか!
作者は、「韮塚」とあります。
以前、「手ぬぐい展」の時に学芸員の大工原さんに教えてもらったのですが、富岡製糸場の初代所長・尾高惇忠とともに製糸場の建設に携わった「韮塚(にらづか)直次郎」という人物だそうです。
3月6日の上毛新聞に、その韮塚直次郎が経営していた製糸工場の建物が現存していたという記事が掲載されてました。
すごいことですね。
残すということが、どれほど価値のあることかということを、富岡製糸場の世界遺産登録が証明してくれました。
わが高崎では多くの歴史遺産が失われてしまいましたが、歴史民俗資料館にはまだその遺産を辿る糸口が保存されています。
ぜひ、みなさんに足を運んで頂きたいと思います。
◇企画展 蚕の懐古展2 「夏蚕 なつご」
期 間:6月14日(土)~8月31日(日)
時 間:午前9時~午後4時
休館日:月曜日・祝日の翌日
入場料:無料
場 所:高崎市上滝町1058 ☎027-352-1261
【高崎市歴史民俗資料館】