新町行在所(しんまち・あんざいしょ)の細道を入っていくと、「於菊(おきく)稲荷神社」があります。
お菊さんは新潟の貧農の娘で、宝暦年間(1751~63)に、新町宿の妓楼・大黒屋の娼妓(遊女)をしていました。
美貌で気立ての良いお菊さんは、新町随一の売れっ妓でしたが、ふとした風邪をこじらせて、足腰が立たない程の重病となってしまいます。
すると、大黒屋の待遇は一変し、行燈部屋に寝かせるという冷たい仕打ちをするようになりました。
同情した町の人は、稲荷神社の裏に小屋を建ててお菊さんを住まわせ、交替でその看病にあたったといいます。
ある夜、お菊さんの枕もとにお稲荷さんが現れると、病は奇跡的に全快します。
お菊さんは、その恩に報いるため稲荷神社の巫女となるのですが、ある時から、作物の出来具合や人の吉凶、失くし物のありかまで様々な事を言い当てるようになります。
そこから、誰言うともなく「於菊稲荷」と呼ぶようになったのだそうです。
「於菊稲荷」は、参道に並ぶ多数の鳥居が有名ですが、昭和三十六年(1961)までは、ここに随身門が建っていたのだそうです。
老朽化により倒壊しそうだったが、修繕費がないので取り壊したということです。
文政六年(1823)の建物で、県内最大のものだったそうですから、惜しいことをしました。
随身門の左手前に写っているのが、同じ文政六年に建てられた水屋です。
総欅、入母屋造りの重厚な水屋で、瓦屋根、彫り物も一見の価値ありです。

この石水盤が、また凄い!→
唐獅子牡丹が、「冰香」(ひょうこう)と刻まれた水盤を支えています。
「冰」は「氷」のことだそうですから、「氷の香り」ですか?
よく分かりませんが、「無」になって祈りなさいということなのでしょうか。
狛犬ならぬ、狛狐がユニークです。
背中に子供を乗せてたり、足で押さえつけてたりしてます。(抱いてるのかな?)
狛犬が暇そうにしているのが、また笑えます。
本殿の右には、比較的新しく作られたと思われる「聖徳太子堂」があり、その左には「白狐塚」があります。
もともとこの稲荷神社は、天正十年(1582)神流川合戦の際、白い狐が現れて北条氏が勝利を収め、これに感謝して社を構えたと伝えられています。
そのため、神社には土焼の白狐が多数納められ、そのかず数千にもなったといいます。
壊れるものも多く、それをまとめて埋めたのが「白狐塚」なのだそうです。
本殿の裏に回ったら、草むらで狐の家族が和やかに暮らしていました。
まるで、野外ステージの人形劇のように、そこだけスポットライトが当たっていました。
不思議空間、「於菊稲荷神社」でした。
そういえば、帰りがけに「ハイツ大黒屋」というアパートがあったんですけど、これ、お菊さんとは関係ないんですよね、きっと。
お菊さんは新潟の貧農の娘で、宝暦年間(1751~63)に、新町宿の妓楼・大黒屋の娼妓(遊女)をしていました。
美貌で気立ての良いお菊さんは、新町随一の売れっ妓でしたが、ふとした風邪をこじらせて、足腰が立たない程の重病となってしまいます。
すると、大黒屋の待遇は一変し、行燈部屋に寝かせるという冷たい仕打ちをするようになりました。
同情した町の人は、稲荷神社の裏に小屋を建ててお菊さんを住まわせ、交替でその看病にあたったといいます。
ある夜、お菊さんの枕もとにお稲荷さんが現れると、病は奇跡的に全快します。
お菊さんは、その恩に報いるため稲荷神社の巫女となるのですが、ある時から、作物の出来具合や人の吉凶、失くし物のありかまで様々な事を言い当てるようになります。
そこから、誰言うともなく「於菊稲荷」と呼ぶようになったのだそうです。

老朽化により倒壊しそうだったが、修繕費がないので取り壊したということです。
文政六年(1823)の建物で、県内最大のものだったそうですから、惜しいことをしました。

総欅、入母屋造りの重厚な水屋で、瓦屋根、彫り物も一見の価値ありです。

この石水盤が、また凄い!→
唐獅子牡丹が、「冰香」(ひょうこう)と刻まれた水盤を支えています。
「冰」は「氷」のことだそうですから、「氷の香り」ですか?
よく分かりませんが、「無」になって祈りなさいということなのでしょうか。

背中に子供を乗せてたり、足で押さえつけてたりしてます。(抱いてるのかな?)
狛犬が暇そうにしているのが、また笑えます。

もともとこの稲荷神社は、天正十年(1582)神流川合戦の際、白い狐が現れて北条氏が勝利を収め、これに感謝して社を構えたと伝えられています。
そのため、神社には土焼の白狐が多数納められ、そのかず数千にもなったといいます。
壊れるものも多く、それをまとめて埋めたのが「白狐塚」なのだそうです。

まるで、野外ステージの人形劇のように、そこだけスポットライトが当たっていました。
不思議空間、「於菊稲荷神社」でした。

(参考図書:「新町明治百年史」「群馬歴史散歩・新町」
「小さな町の物語・新町」)
「小さな町の物語・新町」)
【於菊稲荷神社】