2016年01月17日

駅から遠足 観音山(59)

白衣大観音は9階建て、それぞれの階には「胎内仏」が祀られています。

駅から遠足 観音山(59)

それでは、一気に公開いたしましょう。

【一階】
駅から遠足 観音山(59) 普賢菩薩(ふげんぼさつ)
辰・巳年生まれのご本尊
慈悲の徳を現し、すべての人を幸せにする力を持つ。
駅から遠足 観音山(59) 閻魔大王
密教では御法神十二天のひとり「閻魔天」となる。除病・息災・延寿を司る。
駅から遠足 観音山(59) 妙見菩薩
北極星を神格化した菩薩。
星の中の最尊、菩薩の大将などと呼ばれる。
駅から遠足 観音山(59) 文殊菩薩
卯年生まれのご本尊
知恵の徳を表わし、一切の知恵を巻き収めた真理の経典を持つ。

駅から遠足 観音山(59) 大日如来
未・申年生まれのご本尊
宇宙を人格的に見、更に無限広大の光を表わし、太陽の如く私達を照らしお救いくださる仏さま。
駅から遠足 観音山(59) 地蔵菩薩
地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六道において、迷い苦しむ私たちを救ってくださる菩薩。
駅から遠足 観音山(59) 虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)
丑・寅年生まれのご本尊
限りない福徳と知恵を私たちに与え、よく願いごとをかなえてくださる菩薩。
特に記憶力が得られるという。

【三階】
駅から遠足 観音山(59) 鬼子母神(きしもじん)
安産・育児の神さま。
幼い子供たちをとらえては食べていた鬼女が、お釈迦さまに教化されて仏教に帰依し、子供の守護神となる。
駅から遠足 観音山(59) 阿弥陀如来
戌・亥年生まれの本尊
四十八の大願をおたてになり、西方極楽浄土の教主となられた仏さま。

【五階】
駅から遠足 観音山(59) 飯綱大権現(いづなだいごんげん)
飯綱というところに祀られているので飯綱権現と称するが、茶吉尼天(だきにてん)のこと。
または、不動明王の化身とも。
駅から遠足 観音山(59) 摩利支天(まりしてん)
陽炎(かげろう)を神格化したもの。
わが国では中世武士の守り本尊として崇拝された。

【六階】
駅から遠足 観音山(59) 日蓮上人
日蓮宗・法華宗系の宗祖。
法華経を至上として「南無妙法蓮華経」と唱題すれば、誰でも救われると説かれた。

【七階】
駅から遠足 観音山(59) 弘法大師
空海上人のこと。
高野山金剛峯寺を開き、真言宗の祖となる。
今も高野山奥の院御廟の中で禅定に入られたまま、その誓願により私たちをお守りくださる。
駅から遠足 観音山(59) 不動明王
酉年生まれの本尊
大日如来の使者として、迷い苦しむ私たちの煩悩を縛り断ち切ってくれる。
駅から遠足 観音山(59) 愛染明王(あいぜんみょうおう)
自我を離れた大いなる愛欲は、本来清らかなものであると私たちを目覚めさせてくれる。
駅から遠足 観音山(59) 三宝荒神(さんぽうこうじん)
地主神・山の神・氏神などとして民間に信仰されている。
また、かまどの神としても祀られる。

【八階】
駅から遠足 観音山(59) 聖徳太子
推古天皇の摂政として憲法十七条を制定したとされ、仏教を厚く保護し、政治の根本とした。

【九階】
駅から遠足 観音山(59) 馬頭観音
馬が水草をむさぼり食うように、私たちの煩悩を食べ尽くして救ってくださる菩薩。
駅から遠足 観音山(59) 釈迦如来
仏教の教祖・釈尊・お釈迦さま。
駅から遠足 観音山(59) 白衣観音
白衣は悟りを求める清らかな心を表す。
息災・除病・安産・育児の本尊として信仰されている。

ところで、不思議なことがあります。
胎内仏の中には、「○○年生まれのご本尊」と書かれた仏様がいらっしゃいます。
その年に生まれた人の「守り本尊」ということですね。
でも、年と年のご本尊がないのにお気づきになりましたでしょうか。

年のご本尊、実は観音さまのお顔の上にいらっしゃるそうです。(「上州路No.104」観音山の話/内山信次氏)→※誤り。後日談へ
駅から遠足 観音山(59)

この仏さまは「勢至菩薩」(せいしぼさつ)、智力を象徴し、智慧の光をもって万物を照らし衆生の迷いを除き、無上力を得させ、苦を取り除く偉大な力を持つそうです。

では、年のご本尊はというと、これは「千手観音」です。
千の手と千の目であらゆる衆生を救ってくださるというのですが、その「千手観音」は胎内仏に入っていません。
なぜでしょうか。

「千手観音」清水寺のご本尊です。
清水寺への遠慮ということもあったのでしょうが、それよりむしろ、観音山全体を視野に入れた井上保三郎の大構想だったのだとみるべきではないでしょうか。

もうひとつ、極彩色の鏝絵による胎内仏の中、ひとり白衣観音だけが、鏝絵でなく質素な立体像になっています。
これ、たぶんですが、この写真中央に写っている観音像なんじゃないでしょうか。
駅から遠足 観音山(59)

きっと、工事中、朝な夕なにこの観音像に手を合わせていたんでしょうね。
そのおかげで一人の負傷者も出ず、無事に工事が完成したことを感謝し、胎内最上階に安置し祀ったのだと思います。

そうそう観音像といえば、白衣大観音建立の64年後に、驚くようなことが起きました。

その話は、次回のお楽しみ。

※後日談
慈眼院の橋爪良真住職にこの話をしたところ、「いや、あれは阿弥陀様だと思いますよ。」と仰います。
「私のおばあちゃんが、あれは勢至菩薩だとよく言っていたので、内山さんはそれを聞いていたんでしょう。」ということでした。
調べたところ、頭部が如来の特徴である螺髪であること、印相が阿弥陀如来独自の定印であること、観音菩薩の宝冠には阿弥陀の化仏が付くのが普通であることなどにより、橋爪住職の仰る通り勢至菩薩ではなく阿弥陀如来でした。
訂正してお詫び申し上げます。(2019.06.24)






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この記事へのコメント
10年以上前に観音様の胎内巡りをした記憶が
ありますが、こんなにたくさんの胎内仏があったなんて!
もう一度ゆっくり巡らなければいけませんね^^。
Posted by 風子風子  at 2016年02月09日 19:38
>風子さん

意外と、高崎市民でも胎内巡り未体験という人は多いんじゃないでしょうか。
ゆっくり巡れて、ご利益を感じられるような、何か工夫が必要かもしれませんね。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2016年02月09日 21:30
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    コメント(2)