
「和田の立石(たていし)」
「上和田の円石(まるいし)」
「下和田の方石(かくいし)」
というらしい。
今日は、下和田の「方石」をご紹介しよう。
田島武夫氏著「高崎の名所と伝説」によると、「方石」は現在若松町の佐藤病院の敷地内にあるという。
余談だが、昔のお年寄りは佐藤病院のことを「館出張」と呼んでいた。
「かんしゅっちょう」ではなく「たてでばり」と読む。
その由来については、佐藤病院の沿革をご覧いただきたい。
で、その佐藤病院へ「方石」を探しに行ったのだが、周囲をぐるりと回っても見つからない。
よっぽど、受付へ行って聞こうかと思ったら、「めっけた!」
室外休憩所の自販機と喫煙ボックスの陰に、ひっそりと隠れるように潜んでいた。

説明看板も何もないので、知らない人はただの石だと思っちゃうだろうな。
まぁ、見かけ「ただの石」なんだけど・・・。
前述の「高崎の名所と伝説」の中では、こんないわれが書いてある。
「この石が化け物に見えたので、源頼朝の馬が驚いて石を蹴ったという。それで『化(バケ)石』でもあり、『馬蹴石』でもある。」
また、地名で「馬上(バアゲ)」という所があったので、「馬上石」が「バケ石」になったのだろうとも書いている。
さらに、郷土史家の土屋喜英氏は「高崎の散歩道」の中で、「この辺りに、『損馬堀(そんまぼり)』という深い堀があって、死んだ馬をこの堀に投げ捨てたそうである。」と書いている。
もしかすると、その馬たちの・・・。
ただの石も、調べてみると面白い。
皆さんも、佐藤病院の近くへお出かけになったら、一度探してみてはいかがですか?