2016年02月14日

駅から遠足 観音山(63)

幾多の困難を経て観音山へ移転された「慈眼院」とは、元々どんな寺院だったのでしょう。

失礼して、慈眼院のHPから転載させて頂きます。


上記HPにある「紀伊續風土記 第四輯」(明治四十四年/1911/発行)の記載では、こうなっています。
記載の誤りなのかどうか分かりませんが、これには「本尊は十一面観音」と書かれています。

「紀伊續風土記」に於いても、慈眼院の創建ははっきりしません。
「院譜曰く、嘉吉元年(1441)に極楽寺入道(北条重時)が草創云々とあるが、極楽寺入道は嘉吉年間の人ではない」と書かれています。
そして、「極楽寺入道は建久から弘長の人なので、嘉吉は嘉禄か嘉禎の間違いではないか」とか、「極楽寺入道が建立した寺に接取院というのがあるので、それを後に慈眼院と改名したのではないか」と言ってます。

では、橋爪良恒師は「慈眼院小史」でどう書いているかというと。
慈眼院の縁由については確たる原資料もなくつまびらかではない。
高野山上寺院の常として火災、落雷等による炎上多く、しかも、慈眼院は明治期(おそらく明治前半)に事実上廃寺となり、その名跡のみが高室院に所属したため、尚更のことである。(略)
慈眼院は、宝永八年(1711)の火災炎上以前の記録は皆無としているが、高野山での創建は恐らく江戸初期か、それを遡ってもそう古い時代ではなかろうと思われる。
『慈眼院先師霊簿』によれば開基は鎌倉の極楽寺入道北条重時というが、実際は、嘉吉三年(1443)極楽寺長老の宗厳なる者の草創という。
この間約二百年近い誤差があり疑問点が多いが、伝承として、一応重時の開基としておく。」

ということで、不明なところも多々あるのですが、高野山上に489坪という広大な敷地を有し、本堂、護摩堂、客殿など九つの堂宇が建ち並び、室下に二ヵ寺、末寺九院を持つという立派な寺院だったようです。

しかし、明治期には既にその姿を留めず、高室院の室下に名跡だけが残り、寺格は「準別格本山」だったようです。
これを「別格本山」に格上げするには様々な好条件を提示しなければならなかったそうですが、高崎市及び市議会の陳情により、移転が終わって暫くしてから昇格が許されたということです。

初期の慈眼院、こじんまりとした本堂と庫裡です。↓


昭和五十七年(1982)発行の「上州路」誌に載っている慈眼院
庫裡の後ろ側に建物が増設されています。↓


これは柳川町にあった料亭「喜京」の建物を昭和三十一年(1956)に移築したもので、研修会や会議、宿泊ができるようになりました。
この施設を使って、当時流行していたユースホステルも始め、寺の経営を大いに助けることになったようです。
もっとも、寺では食事を提供することはできなかったので、利用者はこのシリーズ第56話に登場する「太平軒本店」で食事をしたのだそうですが。

現在の本堂「千体観音堂」は、白衣大観音建立五十周年にあたる昭和六十一年(1986)の十一月十六日に落慶しました。


その翌日は、井上保三郎翁の命日でありました。
もちろん、昭和五十一年(1976)から続く「甘酒千人供養」が行われ、千体観音堂の落慶とも相まって、約二千人の方に甘酒が振る舞われたということです。

保三郎翁も、さぞかし喜んだことでありましょう。





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この記事へのコメント
ふーん、今と比べると、最初の頃の慈眼院は
随分こじんまりとしていたのですね。
甘酒千人供養もいいですね^^。
Posted by 風子風子  at 2016年02月23日 22:29
>風子さん

甘酒千人供養、今年もやると思いますので、ぜひお出かけください。
まだちょっと先ですけどね(^.^)
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2016年02月24日 07:16
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    コメント(2)