2016年01月03日

駅から遠足 観音山(57)

みなさま、明けましておめでとうございました。
良い年にしたいですね。

白衣大観音建設中の絵です。
左は内部の様子、右は外からの様子を描いています。


井上工業発行「高崎白衣大観音」誌の記述です。
足場は、杉丸太の番線締めを使い、構造体の立上りに合わせて延ばし、鉄骨タワー2基及び本体の窓にアンカーを取りながら緊結して持たせることにしました。
資材の荷上げについては、ボーズ丸太でタワーから持ち出し、またジブクレーンを使用して吊上げるという方法がとられました。
揚重機の動力には、ドイツ製10馬力石油発動機が使用され、効果をあげました。」

建設会社発行の冊子なので、いたるところに専門用語が出てきますが、「ボーズ丸太」ってご存知ですか?

不肖迷道院、青二才だった頃にちょこっと工場建設に関わったことがありまして、その時、教えてもらったんです。
足場に使うような、木の皮を剝いだ丸太を「磨き丸太」って言うんですが、表面がつるつるしているので、お坊さんの頭に見立てて「坊主丸太」と洒落たんだとか。

ただ、その時の職人さんたちは、丸太1本をロープ2,3本で引っ張って立たせ、先端に滑車を付けて荷を上げ下げする装置(?)を「ボーズ」って呼んでましたね。

タワーのてっぺんにツノのように突き出てるのが、「ボーズ」です。

荷は、エンジンを使って揚げてたんですね。
何となく、「えーんやこーら!」って、人間がロープを引いてる絵柄を想像してました。

観音さまの頭巾はまだ乗っかってないようですが、もうほぼ完成ということで、みんなで記念写真を撮ったんでしょうかね。

下の方をよく見ると、いろいろ気になるものが写ってます。


そのひとつが、右の方に写っている水タンクらしきものです。
このシリーズ第16話にも書いたように、観音山上は水がなくて、建設中に保三郎の夢にまで出てくるほどでした。

「高崎白衣大観音」誌は、保三郎の夢の話に続けて、こんなことを書いています。
・・・苦悩する井上の枕元に立たれた”観音様”の奇跡の慈悲としか考えようがありません。
科学的に見れば、たまたま井戸のまわりに生い茂った樹木の根が貯蔵していた水分が井戸水代わりを果たしたということでしょう。
実際、この井戸の寿命は僅か2ヶ月足らずで、一度汲み上げてしまうと、もう湧水はなく、枯れきってしまったそうです。
そこでまた、下から汲み上げることになりました。」

「下から汲み上げる」と言っても、まさか清水寺の石段下まで汲みに行ったとは思えません。

ここに一枚、気になる絵葉書があります。


左上の部分を拡大してみます。


寺院建屋の右に、工事現場にあったのと同じ形のタンクが建っているのが分かるでしょうか。
更に気になるのが、左に建っている塔です。
どう見ても風車ですが、かなり大きいものです。

慈眼院のご住職もご存じなかったので推測なんですが、この風車で水を汲み上げてたんじゃないかと思うのです。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報をお寄せ頂きたいと思います。

観音さまの水と言えば、「井上保三郎翁出世録」にこんなことが書かれています。
この大觀音の御臺下には不慮に具へて御水が數百石貯水されて居る。」

しかし、これはどうやら誤りのようで、「高崎白衣大観音」誌の記述はこうです。
当初は、台座(基礎)を空洞とし、地下室に利用する計画でしたが、転倒モーメントとの関係から安全性に問題があるということで変更し、基礎に荷重をかけるため土砂で埋め、地下室は壊しました。」

いやー、まさに高崎「プロジェクトX」ですね。

では、また次回。





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この記事へのコメント
ご無沙汰いたしました。
本年もよろしくお願いいたします。

昔の西部劇で見たような風車ですねー。
風車以外にも、大勢の職人さんの姿を見ると、ほんとうに大掛かりな工事だったことがよくわかりますね。
Posted by 風子風子  at 2016年01月07日 16:35
>風子さん

こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

昔の写真というのは、見ていて興味が尽きないですね。
私も中学一年生の時に、初めて自分のカメラというのを持ったのですが、もっと街並みとか人々の風俗を撮っておけばよかったと、今になって思います。

白衣大観音の未公開写真も、きっとどこかに眠っているんでしょうね。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2016年01月07日 18:21
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