2015年01月18日

駅から遠足 観音山(18)

「井桁の井戸」の先に、お地蔵様なのかな?
あったかそうな帽子をかぶり、綿入れ半纏を着せてもらった石仏がちょこんと座ってます。
どなたのお志か分かりませんが、嬉しいですね。


今日は、その隣に建っている「芭蕉句碑」のお話です。

正風宗師之碑
観音の
  甍(いらか)みやりつ
    はなの雲
芭蕉

恥ずかしながら、徘徊はしていても俳諧には全く疎い迷道院でして、この句は芭蕉さんが清水寺へ来て詠んだものだとばかり思っていました。

しかし調べてみると、深川の芭蕉庵から浅草の浅草寺の屋根を見て詠んだものだそうです。

それでも、「県内二百基ある芭蕉句碑のうち、由緒においてその右に出るものはないであろう。」ということで、高崎市の指定重要文化財になっています。

ところが、有名な郷土史家・本多夏彦氏からは著書「上毛芭蕉塚」の中で、こうこき下ろされちゃっています。

芭蕉句中で一番句碑に多い句で、高崎市清水観音仁王門下にも郷土出身の江戸俳人西馬(さいば)によって立てられている。
これは天保十三年(1842)西馬にすれば開店大売出しともいうべき俳行事に、地方の俗俳どもを煙に巻く必要から、あんな不風流極まるものになったので、高吟が書家の巻菱湖(まき・りょうこ)、テン額と碑背記が小大名ながら天下の諸侯をならべたこけおどしの道具立て、清水寺では鳳朗(ほうろう)の文台で百韻興業というバカ騒ぎの記念だから仕方がない。」

やれやれ、身も蓋もないという感じですが、一応、碑背の刻文も記しておきましょう。

俳聖芭蕉翁の百五十回の遠忌に當れるにあひて、惺庵西馬(せいあん・さいば)兼て追福を営むに社盟数十輩と議り、清水寺内に地を卜して一塚を築り、碑面篆額の贈號は故二條公の粟津の霊室に賜ふ處なり。
今四山これに筆を採、また高韻を書る者は菱湖に聞、清水寺は上毛第一観音の霊場にて洛の清水に景趣等しきと云。
句も亦彼を取てこゝに移す相當
れる成べし。
予、この道に遊ふの因を以て一條の来由を祭主の為にしるす。
維時天保十三年龍集壬寅三月 五品多々良大内瀾長」
(句読点は迷道院加筆)

ま、ともあれ、天下の諸侯を利用して芭蕉の百五十回忌を開いたという西馬さん、どんな人物なのかそこには興味を覚えます。

ということで、次回は西馬さんについてのお話です。





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この記事へのコメント
こんばんは。高崎市のキャトレールと申します。いつも楽しく拝見しております。

今回の「上毛芭蕉塚」の文章にある天保十三年が1902年になっておりますが、これは正しいのでしょうか?

1902年とはずいぶん最近だなぁと思い調べてみましたら明治35年とのこと。天保13年だと1842年らしいです。

間違っておりましたら、申し訳ありませんです。

次回の西馬さんも楽しみにしております。
Posted by キャトレール  at 2015年01月18日 22:01
>キャトレールさん

あ、間違ってます!
ご指摘の通り、天保十三年は1842年です。
教えて頂いてありがとうございました。
早速訂正させて頂きます。

申し遅れましたが、拙ブログをいつも読んでいただいているとのこと、ありがとうございます。
今後も、よろしくお付き合いのほど、お願い申し上げます。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2015年01月18日 22:09
以前にも書き込みましたが
高校時代、
本多夏彦氏が我が家に来て
古文書を調べたことがありました。
資料を大事にするように教えられたことを
思い出しています。
Posted by いちじん  at 2015年01月19日 09:45
>いちじんさん

本当にそうですよね。
その時代に生きていない者にとっては、残された資料や書籍に頼るしかありませんからね。
それにしても、本多夏彦氏と顔を合わせているというのは、すごいことですね。
私なんか、まだ歴史のれの字も興味がなかった頃です(^.^)
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2015年01月19日 20:10
私も「徘徊」ばかりですが、
あちこちで見かける芭蕉の句碑にも
いろいろな裏事情があったのですね。
これからは、またちょっと違う気分で
芭蕉句碑を読めそうです^^。
Posted by 風子風子  at 2015年01月21日 08:58
>風子さん

いやー正直、句碑はあちこちで見かけるものの読めないので、見て見ないふりしてます(^.^)
崩し字が読める風子さんが、うらやましい。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2015年01月21日 10:18
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