2014年06月08日

例幣使街道 寄道散歩(12)

例幣使街道 寄道散歩(12)「若宮八幡」から旧陸軍火薬庫の角まで戻ったところです。
右の道を真っ直ぐ行けば、八幡原の集落を抜けて例幣使街道へ、左の道を行けば岩鼻です。

例幣使街道 寄道散歩(12)右の地図でいうと、右下の「八幡原陸軍火薬庫」「庫」の字の所にいます。

例幣使街道へ戻ろうと思ったのですが、ちょっとだけ、ちょっとだけ岩鼻方面へ行かせてください。

この地図では、まだ井野川に橋は架かっていませんが、今は立派な橋があります。
例幣使街道 寄道散歩(12)名前を「鶴亀橋」(つるかめはし)といい、昭和四十九年(1974)に架橋されています。

ずいぶん縁起のいい名前ですが、実は、この橋の下流に「鶴亀石」というのがあって、それに因んだ名前だそうです。

昭和五十九年(1984)発行の「瀧川村誌」に、こんな記述があります。

大字八幡原若宮八幡宮の崖下井野川の中に二つの巨岩がある。
名付けて鶴亀石といっている。
一つは其の形鶴に似てい、又一つは亀によく似ている処からかく名付けられたものと思われる。
現在其の上流(井野川)に架けられた橋も鶴亀橋と名付けられている。
昔は、この岩の辺は村の子供の水あび場として、親しまれていたが、今は川瀬も変わり岩の形も大分変わって来た様に思われる。」

例幣使街道 寄道散歩(12)「鶴亀橋」の上から下流を眺めてみましたが、それらしい巨岩は見えません。

橋の下に人が見えたので、急いで降りて尋ねてみました。

「あぁ、昔はあったんだよ、おっきい石が。 今は、見えねぇと思うよ。」
土砂で埋まっちゃったんですか?と聞くと、
「井野川は普段はこういう静かな流れだけど、大雨が降るとすげぇかんね。動いたり、埋まったりするだんべね。」
というお話しでした。

例幣使街道 寄道散歩(12)「若宮八幡」の崖下にあったということですが、ちょうど井野川烏川の合流点です。

烏川の流れも、あの大きな「聖石」でさえ埋もれさせてしまうほどですから、「鶴亀石」も二つの川の力には敵わなかったのでしょう。
それにしても、どんな形の石だったのか、見てみたかったですね。

例幣使街道 寄道散歩(12)橋を渡りきると右側に、何とも古めかしい門があります。

旧陸軍岩鼻火薬製造所の門なのでしょう。
当時なら、衛兵が銃剣を持って立っていたのでしょうが、今は監視カメラがその役を担っています。

終戦の翌年、「陸軍岩鼻火薬製造所」跡は「日本化薬(株)」に貸与され、黒色火薬と導火線の製造が行われていました。
「日本化薬(株)」が医薬品製造の新工場として高崎工場を新設したのは意外と最近で、昭和四十六年(1971)です。
「鶴亀橋」は、その3年後に架橋されたことになります。

さて、寄り道が過ぎました。
例幣使街道へ戻りましょう、戻りましょう。


【鶴亀橋】






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Posted by 迷道院高崎 at 08:11
Comments(6)例幣使街道
この記事へのコメント
お早うございます。林ちゃんです。
実は、三国街道さ迷い道中記、帰りの頁まで、昨夜までに一応目を通させて戴きました。
私三国街道沿いにて営業の身で有りながら本当にお恥ずかしながら知らない事ばかりで驚きました。よく資料を丹念に調べてさらりと記事にして居られる手腕に只敬服するばかりです。暫くの間、三国街道さ迷い道中記を繰り返し読ませて戴き、勉強させて貰いたいと考えて居ります。取り合えずご報告と思いまして。
迷道院高崎様 後閑林司郎
Posted by 林ちゃん林ちゃん  at 2014年06月08日 09:38
>林ちゃん

なんとまぁ、身に余るお言葉を。
興味の赴くまま書き綴っております内に、いつの間にかあちこちのご紹介をすることになってしまいました。
そのほとんどは、先輩方が調べ読み解いた事柄の受け売りです。
そんなものですが、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2014年06月08日 19:26
不安定な気象が続き、あちこちから大雨の情報がきこえてきますが、増水した川の流れは恐ろしいほどですね。
鶴亀石の姿も見えないようですが、「高崎のトリビア散歩」では聖石の実地見学に行かれましたか?
イベントが重なってしまい、参加できなかったことが今でも悔しいです。
Posted by 風子風子  at 2014年06月13日 09:36
>風子さん

この間は、旧中山道沿いのトリビア散歩にしましたので、聖石へは行きませんでした。
もしかすると、秋に観音山編のトリビア散歩をするかも知れませんので、その時はぜひ!

川の水の力って、増水してなくても凄いんですよ。
私ね、昔、利根川のいかだ下りレースに参加したことがあるんです。
途中で大岩にぶつかって、いかだは転覆、私は渦から抜け出せず、すごい恐い思いをしました。
あれが増水時だったら、まちがいなく命はなかったでしょうね ^_^;
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2014年06月13日 21:01
エーッ、旧中山道沿いのトリビアだったのですか!…残念。

いかだ下りレースですか、怖そー。。。
迷道院さんはお若いときからアスリートだったのですね。
でも、渦から無事に生還できたということは、強運なのでしょうね(^^v
Posted by 風子風子  at 2014年06月14日 08:53
>風子さん

旧中山道沿いといっても案内役が私ですから、まともなガイドさんは歩かない裏道ばかりで(^^ゞ
でも、楽しんでもらえたようです。

いかだの時は、亡くなった母が助けてくれたんだと、今でも思います。
母には、その後も何度か命を救ってもらってます(^_^)
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2014年06月14日 20:56
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