2013年06月16日

ちょいと千葉へ(寺田本家)

千葉へ行ったら寄ってみようと思っていた、造り酒屋「寺田本家」です。

下戸の迷道院が、この造り酒屋を訪ねたいと思うようになったきっかけは、映画「降りてゆく生き方」の上映会で、寺田啓佐(てらだけいすけ)さんの講演を拝聴したことです。

実は、「日本酒」というのは、あまり好きではありませんでした。
燗をすると鼻にツーンとくるし、冷やで飲むと舌にピリピリッとくるし・・・。
そう言うと日本酒通の方からの、「そりゃ、安い酒しか飲んだことがないからだ。」という声が聞こえてきそうです。

でも、旅行先で名のある造り酒屋の「大吟醸」などという高いお酒を飲んでも(もちろん試飲ですが)、そう感じるんです。
と言うとまた、「お前は、酒の味が分からないんだ。」と言われちゃうんでしょうね。

でもね、「寺田本家」「五人娘」という日本酒を飲んだ時は違ったんですよ。本当に美味しいと思ったんですよ。
芋焼酎の「伊佐美」を飲んだ時と、同じ驚きでした。

ワインのソムリエ風に言えば、「母の胸に抱かれているような、柔らかい芳香と味わい」(キザ!)です。
「五人娘」の名付け親・土屋文明氏は、「まじりっけのない、けがれを知らない娘のイメージだ。」と表現したそうですが。

あ、高崎では、「土屋文明記念館」に近い保戸田町「鈴木酒店」さんで取り扱っていますので、一度飲んでみてください。

下戸のくせして、お酒の話を長々としてしまいましたが、そんなことで、一度「寺田本家」さんを訪ねてみたいと思っていたのです。

門を入ると、酒米でしょうか、「千葉錦」「亀の尾」という稲苗が、神饌田のようにして植えられていました。





国の登録有形文化財に指定されている醸造蔵の手前に、一体の観音様が祀られていました。

「ひとりさん観音」と書かれています。

斉藤一人さんに出会って、人生観やものの考え方が大きく変わったという寺田啓佐さんは、著書「斉藤一人・発酵力」の中でこう綴っています。

私は添加物を使わない『百薬の長』と言われた昔ながらのお酒造りにこだわってきました。だから、売れなくてもしょうがないと
思っていたのです。しかし一人さんはこう言います。
『こんなにいいお酒を造ってるんだから、もっと多くの人に知ってもらわなきゃダメだよ。そして、日本一の酒蔵をめざそう!』
(略)
今までの私は、『清貧の思想』にすごく憧れていました。それは『貧しくても清く生きる』ということなのですが、どこか、『清く生きるということは、貧しさをともなうものだ』と思いこんでいました。しかし天は、清く生きる人には豊かさをも、もたらしてくれるのです。
それからの私は一人さん流で、『清富の思想』に考えを変えました。つまり、大欲を持って多くの人に喜んでもらえるお酒を造り、そのご褒美として利益もありがたくいただく。そしてその利益をまた世間の人に喜んでもらえるように還元し、世の中に貢献していく。
このように、清く豊かに生きようと思うのです。」

寺田啓佐さんは、この本を書き上げた後、出版を待つことなく昨年の四月、発酵人生を全うして旅立たれました。
啓佐さんの思いは、寺田本家第二十四代当主となった寺田優さんが継いでおられます。

さんは、群馬からわざわざ来てくれたと喜んで下さり、啓佐さんが生前書き遺した自筆の言葉で作ったという日めくりカレンダーを、私に手渡してくれました。

その31日目に、「寺田本家家訓」が載っていました。
これが、寺田啓佐さん発酵人生のすべてなんだと思います。

啓佐さんの発酵力は寺田本家に止まらず、小さな神崎(こうざき)の町を「発酵の里」として大きく発酵させました。

その原動力となったのは、神崎の歴史と信仰と人々のつながりに違いありません。

わが高崎の町づくりも、大いに参考とすべきではないでしょうか。


【寺田本家】





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この記事へのコメント
「五人娘」ですか、いい酒名ですねー。
迷道道院さんのお墨付きなら、きっと美味しい事でしょう。
たくさん飲むことは無いのですが、色々な銘柄の
お酒を飲み比べるのが好きですので、飲んでみたいです。
忘れていた寺田啓佐さんの記事も、再び楽しく読ませて
いただきました。
Posted by 風子風子  at 2013年06月16日 19:59
>風子さん

普通のお酒は精米率50%~60%で、お米の芯しか使いませんが、寺田さんは玄米のまま発酵させてお酒にしちゃいます。
クセがあり過ぎて、寺田さん自身「日本一まずい酒」って言ってます。

「五人娘」も、普通のお酒を飲んでいる人には、クセのある味かも知れません。
私は、精米率90%の「香取90」というのが好きです。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2013年06月16日 22:30
神崎町には、何年か前、香取市に行った際途中で
立ち寄ったのを覚えています。
2月ごろ、並木の神宮寺に仏像を拝観に行きました。
街中に素晴らしい酒蔵があるとは気がつきませんでした。
酒蔵といえばどうしても香取市になってしまいますからね。

ありきたりの観光名所以外にも、こうして
あまり注目されない、隠れた魅力的な場所を紹介いただけるなんて、
さすが迷道院さんです。

来週の日曜日(23日)夏至の日、
フェテ・ド・ラ・ミュージクという、
街中を音楽で賑やかにしよう、という催しがあります。
連雀町アークプラザ(旧アサヒ商会)前でも、
午後3時より「フラメンコ」の実演が行われます。
(雨天の場合、室内)
音楽や踊りがお好きな方、是非街中に出かけて
お楽しみください。
Posted by 雀の子  at 2013年06月17日 00:21
日本酒が大好きな私ですが、五人娘は初めて耳にしました(目にしましたですかね)。

昔は、江戸に運ぶのには、特に重量のある醤油、味噌、酒などは陸路でなく、川や海を使った水運が主体でしたから、流れの穏やかな大きな川のある、千葉、茨城の水郷地帯を中心に、醤油、味噌、酒などの醸造業が盛んだった様ですが、酒飲みの私には、どうも千葉のお酒には良い印象はありませんが、五人娘、船橋の東武百貨店には常時おいてあるようですから一度試してみたくなりました。
Posted by キレイズキ  at 2013年06月17日 06:58
>雀の子さん

これも、ご縁なんでしょうね。
ご縁がなければ、あそこまで行く事はなかったと思います。

「フェテ・ド・ラ・ミュージック」のご紹介、ありがとうございました!
だんだん、「音楽のまち高崎」が根付いてきましたかね。
グンブロガー・昭和24歳さんも“DARUMA”コンサートを始めたようです。
http://g3s.gunmablog.net/e291572.html

これからの展開を期待しております。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2013年06月17日 20:10
>キレイズキさん

日本酒通の方の「五人娘」評、ちょっと恐いですが聞いてみたいですね。

ぜひ一度お試し頂いて、辛口のコメントをお待ちしております(^_^)
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2013年06月17日 20:16
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