2012年03月25日

続・鎌倉街道探訪記(16)

続・鎌倉街道探訪記(16)庭石のような「道陸神」の先の二股道を、真っ直ぐ進みます。


80mほど進むと、また二股に分かれます。↓
続・鎌倉街道探訪記(16)
正面に見えるのは、豊岡中学校の校門。
鎌倉街道は、この校庭を突き抜けるように通っていたようです。

続・鎌倉街道探訪記(16)豊岡中学校には、立派な土俵があります。
珍しいんじゃないでしょうか。

そういえば、「若宮八幡宮」の境内にも土俵がありました。↓
続・鎌倉街道探訪記(16)
豊岡という所は、相撲に力を入れているのでしょうか。

さすが、関脇・稲川政右衛門を輩出した土地ですね。

続・鎌倉街道探訪記(16)校庭を突っ切る訳にいかないので、迂回して反対側の道に出ます。

右にカーブして90mほどの所に、ベンチが置かれた小さなスペースがあります。↓
続・鎌倉街道探訪記(16)
「ミレニアム記念 藤棚 藤花公民館之建」という看板が掛けられています。
「藤花公民館」「藤棚」とは、なかなかシャレてるじゃありませんか。

続・鎌倉街道探訪記(16)その「藤棚」のすぐ左、四つ辻の角に石に囲まれた植え込みがあります。

よく見ると、山茶花の根元に小さな石祠が祀られています。

以前は、「史蹟 笛吹塚」と書かれた木柱が建っていたはずですが、朽ちてしまったのか今はありません。

「若宮八幡宮」には源義家伝説が伝わっていましたが、この「笛吹塚」には義経伝説が残っています。
明治四十三年(1910)編纂の「豊岡村郷土誌」に、こう書かれています。

上豊岡村字花見ニ石置場アリ、
古昔ヨリ石置場ノ近傍ニ奥州街道アリテ、往昔、牛若丸奥州ヨリ帰ルトキ、コノ石塚ニ行キ愛スルトコロノ笛ヲ弄セシト、
依ッテ笛吹塚ト称スト」

ここに書かれている「笛吹塚」は、現在地でなく、ここから南南西300mほどの所にあったのだそうです。
松の木が何本か生えている小さな塚だったということですが、宅地開発のため松の木も塚も取り払われてしまいました。
そこで、そこにあった石祠を現在地に移し、新しい「笛吹塚」としたのです。

ただ、標柱もなくなり、由来看板もないというこの状態では、やがて人々の記憶からもなくなってしまいそうで心配です。

続・鎌倉街道探訪記(16)ところが、「笛吹」の名がこんなところに残っていました。

元の「笛吹塚」から北東700m、信越線の線路の向こう側にある「笛吹公園」です。
元の塚からあまりにも離れているので、関係あるかどうかは疑問です。
由来を書いた看板もありません。

ちょっと思ったのは、「笛吹」と書いて「うすい」と読むことです。
旧豊岡村「碓氷(うすい)郡」でしたし、近くには「碓氷(うすい)川」が流れています。
もしかすると、「笛吹塚」「うすい塚」だったのではないでしょうか。

かつての「碓氷川」はよく氾濫したといいますから、それによって命を失った人の墳墓か、供養塚だったとも考えられます。
想像を逞しくすれば、それは幼気な子どもであったかも知れません。
野山や田畑をぴょんぴょん飛び回り、村の祭りには上手に笛を吹く、まるで牛若丸のような・・・。

伝説の里・豊岡の地に佇ずんでいると、いろいろな物語が浮かんできてしまいます。
昔の人もきっと、囲炉裏端でそんな話を語って聞かせていたのでしょうね。

(参考図書:「豊岡誌」)



【今日の散歩道】
続・鎌倉街道探訪記(16)





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Posted by 迷道院高崎 at 07:16
Comments(2)…続・鎌倉街道
この記事へのコメント
高崎の広域地図を広げて「続・鎌倉街道探訪記」の(1)から、順を追って読んでみましたところ、ようやく方向オンチの私にも、北に向かう鎌倉街道の道筋がつかめました。
先日参拝した高崎神社の近くを通っていますね。寄り道が多いのもいいですね。私もついあちこちに引っかかってしまうタチなので…。
板鼻にどんどん近づいてくるのも、楽しみのひとつです^^。
Posted by 風子風子  at 2012年03月25日 19:39
>風子さん

地図で辿って頂いたとは、なんとも嬉しい限りです!

板鼻も面白い伝説が多いようですが、豊岡もそうです。
やはり、もとは同じ碓氷郡だからなんでしょうかね。

板鼻到着は、もうしばらく掛かりそうです(^_^)
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2012年03月25日 22:13
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