2012年03月10日

続・鎌倉街道探訪記(14)

「常安寺」の山門を出て、塀沿いに右へ行くのが鎌倉街道のようですが、真っ直ぐ行ってちょいと寄り道をしていきます。

寄り道とは言っても、鎌倉街道にまんざら関係ないわけではありません。

参道を真っ直ぐ150mほど進むと旧中山道に突き当たりますが、その左向こうに村社「若宮八幡宮」があります。↓



この神社、八幡太郎と呼ばれた
源義家が創建したと伝わっています。

源義家といえば、鎌倉幕府を開いた源頼朝のご先祖様です。

←由緒によると、創建は永承六年(1051)といいますから、960年も前のことなんですね。

祭神は大鷦鷯命(おおさざきのみこと)、仁徳天皇のことだそうです。

仁徳天皇のお父さんが、応神天皇(おうじんてんのう)で品陀和気命(ほんだわけのみこと)、この方は八幡町「八幡八幡宮」の祭神になっています。
その皇子(若宮)を祭ったので、「若宮八幡宮」ということです。

御由緒の看板には、気になることがいくつか書いてあって、そのひとつが「当地区には、『土用寒村(どようかんむら)』『十八日村(とようかむら)』などの伝説・・・」というものです。
いったい、どんな伝説なんでしょう。
そこまで、書いておいて欲しかったですね。

「豊岡誌」に、「若宮八幡宮創建の由来」として「上野国旧聞伝説録」の一文が記載されています。

当社、古昔永承六年(1051)五月上旬、八幡太郎義家卿父子共に奥州に赴く時に、義家年十三歳・・・、此の豊岡村八幡宮へ祈念のため参籠なされける夜、あらたなる御神託を蒙る。
依って、盛夏の天を改めて上陽の春と補す。元旦の式をもふみて寿をなすところに、忽ち空中より雪を降らし枝状花を開く。・・・
之に依って、同年六月十八日より義家十四歳と補す也。・・・
義家卿末代のためにとて、六月土用の時、冬景色あらたなることに付き自筆をとらせ給ひ、土用寒と遊ばし給ふ。十八日なればとて書かれ給ふて社宮へ奉納し給ふ。・・・
今は、文字書き替へて豊岡とぞ、豊かなる岡といふ心なり。」


ちょっと分かり難いですが、源義家がここに参籠した夜、神様のお告げを聞いたというんですね。
そのお告げに従って、真夏に元旦の儀式をした、つまり無理やり年が明けたことにして、十三歳の義家を十四歳ということにしちゃったというんです。

そしたら、夏の土用だというのに雪が降ってきた(寒になった)、これは「土用寒」(どようかん)だ、そういえば今日は「十八日」(とようか)だ。
それが、現在の「豊岡」(とよおか)という地名になった、という訳です。

「土用寒」だけに、寒ーいおやじギャグのような話しなんですが、ま、伝説というのはこれでいいんじゃないでしょうか。

それにしても、歳を一つ誤魔化せという理由が、よく分かりませんよね。
どういうことなんでしょう。
明治十五年(1882)の「下豊岡村誌」では、白い衣冠を着た官人が来て、義家にこう告げたとなっています。

武衡ハ水性ナリ、義家ハ火性ナリ、火ハ水ニ逢イテ消ユル理アルハ不吉。年ヲ祭リ替ユベシ」
貞任の誤りか。武衡は後三年の役(1083~1087)の清原武衡。前九年の役(1051~1062)の安倍貞任と混同していると思われる。

これもまた、なぜ義家火性で、武衡(貞任)水性なのか、よく分かりませんが・・・。
でも、ま、伝説ですから。

もうひとつ御由緒看板で気になるのが、「境内には義家の腰かけ石がある」という記述です。
境内をくまなく見ても、これがそうだというものは見当たりません。
「豊岡誌」を見ても「高崎の散歩道」を見ても、「腰かけ石」についての記述すらありません。

かろうじて、土屋喜英氏著「続・高崎漫歩」に、「石はいくつもあり、どの石かわからない。」と書いてあるだけです。

だったら、これにしちゃえばいいのに
って思うのが、この石です。 →

石の上に、不自然に水盤みたいのがくっついてますが、これを外せば腰かけるのに丁度よさそうじゃありませんか。

代わりに、腰かけている義家の銅像なんぞを置きたいもんです。

いいじゃないですか、伝説なんですから。


【若宮八幡宮】





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