2010年12月13日

鎌倉街道探訪記(12)

殿様の記事が続きまして、久々の鎌倉街道ネタとなります。

鎌倉街道探訪記(12)荘厳寺前の、こんぴらさま参道です。

右側の木の塀とブロック塀に挟まれた細い道。
これが鎌倉街道だと言われています。

鎌倉街道探訪記(12) 今日は、ここからスタートです。
鎌倉街道探訪記(12)すぐに、新幹線の高架でちょん切られてしまいます。
鎌倉街道探訪記(12)新幹線の下を潜ると、ちょん切られた先の道が見えてきます。
鎌倉街道探訪記(12)昔は緩やかにカーブしていたんでしょうが、今は不自然にカクカクと曲がっています。

鎌倉街道探訪記(12)カクンと曲がった生垣の陰に、双体道祖神が建っています。

双体道祖神にしては珍しく、あまりイチャイチャしていません。
天保四年(1833)建立で、僧形の男女が雲の上に乗っている、天孫降臨型と言われるものだそうです。

鎌倉街道探訪記(12)
そのちょっと先へ行くと、「秩父巡礼の道しるべ」という標柱が建っています。

鎌倉街道探訪記(12)


馬頭観世音の台石には、「左婦ぢおか(藤岡) ちゝぶミち(秩父道) 右髙﨑」と刻まれているそうですが、ちょっと判読できません。

鎌倉街道探訪記(12)200mほど道なりに歩くと、「高崎市佐野長寿センター」という看板の下に、うっかりすると見落としてしまいそうな「天満宮入口」と書かれた標柱が建っています。

鎌倉街道探訪記(12)
角を曲がって程なく、右側に「太天神天満宮」(だいてんじん・てんまんぐう)と書かれたこじんまりした神社があります。

書かれている説明によると、謡曲「鉢の木」で有名な、佐野源左衛門常世が創建したと伝わっているそうです。
昔は境内ももっと広く、荘厳な杉の木立に囲まれていたといいます。

鎌倉街道探訪記(12)社の後ろに、これも「秩父巡礼の道しるべ」という馬頭観世音があります。

鎌倉街道探訪記(12)

この台石にも、「右やまな ふぢおか ちゝ婦」と刻まれているらしいのですが、判読できません。
しかも、方向が逆になっているようです。

昔、この天満宮前の道は「天神沢」と呼ばれ、佐野窪へ下り、烏川を渡って根小屋・山名へ通ずる重要な道だったそうです。
先ほどの馬頭観世音は、天神沢から左折する小道の角に建てられていたものを現在地へ移設したので、方向が逆になったということです。

鎌倉街道探訪記(12)天満宮から少し道を下ると、また右側に小さな祠がありました。

中にはお地蔵様が祀られていて、お花や供物も供えられています。
鎌倉街道探訪記(12)







よく見ると、お地蔵様の顔から胸にかけて、白粉でも叩いたように白くなっています。

何か謂れがあるようで気になります。

お隣の家に飛び込んで、お尋ねしてみました。
「よく分かんねぇんだけど、薬師地蔵っつうんで、おしろい地蔵さんつうんで、昔、高崎の芸者さんだかなんかのを祀ってあるんじゃねぇんかねぇ。」

たまたま道を通りかかったご婦人にも、お尋ねしてみました。
「あー、昔からあらいねぇ。はぁ、ここで生まれて70年の上いるけど、分かるようになった時ゃ、はぁ、あったいねぇ。だけど、白いなぁ塗っちゃぁなかったよ。こういうんなぁ、最近じゃねぇんかねぇ。」

荘厳寺「横澤先生」といい、この「おしろい地蔵」といい、どうも鎌倉街道には謎の物が多いようです。
どなたかご存知の方がいたら、ぜひ情報をお寄せください。

この先へ行くと、上信電鉄の線路に出てしまうので、戻ることにいたします。
その続きは、また次回。

(参考図書:「高崎漫歩」「高崎の散歩道 第二集」)


【今日の散歩道】




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Posted by 迷道院高崎 at 07:44
Comments(4)鎌倉街道
この記事へのコメント
天孫降臨型の双体道祖神があるのですねー。
初めて見ましたが、仲良し型と違って、なにやらありがたい感じ・・・手を合わせたくなりました。
おしろい地蔵さま、似たようなお話が小暮淳さんの「源泉ひとりじめ」で、謎学の旅⑦「化粧をする薬師像」にもありましたね。

鎌倉街道もますます見所満載で・・・
「かるた」も、わかりやすく高崎の歴史を学ばせて頂けてありがたいです^^。
Posted by 風子  at 2010年12月13日 21:37
三ッ寺の「紅塗りお庚申様」といいこの「白粉地蔵様」といい人々の素朴な信仰が伝わりますね。迷道院様の取材に対し答える地元の年配の方のネイティブ上州弁、これも残しておきたい貴重な財産です。小生の愚息など完全な標準語で(標準語って一体何だ?)まともに上州弁を話せません。注意して聴いてるとまあ「だいねー」位です。あの東京に出ると笑われるという「今、いくじだい?」(今、何時ですか?)も完全に後者です。こうやってTV、ラジオの影響で地元言葉は消えゆくのですねー。いっそ群馬TVもラジオ高崎も全部「上州弁」で放送すれば良いのに。(笑)
Posted by 柏木沢の農家おじさん  at 2010年12月14日 06:01
>風子さん

あ、小暮さんのにありましたっけ?
あー、ほんとだ!
へ~、元総社なんですね。
縁切り薬師になってるんだー。

あ、他人のブログで感心してる場合じゃないですね。
私も、小暮さんを見習ってもっと探求しなくっちゃ!
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年12月14日 08:26
>柏木沢の農家おじさん様

そうですよね。
「上州弁講座」なんていう、教育(?)番組があってもいいですよね(^_^)

津軽の伊奈かっぺいさんみたいな人がいてくれるといいんですけどねー。
http://columbia.jp/~kappei/index.html
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年12月14日 08:30
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