2010年06月09日

東北ぶらり旅 遠野編(4)

朝早く、遠野の駅前に行ってみました。
駅を背にして町の方向を眺めると、こんな感じです。↓
東北ぶらり旅 遠野編(4)

まだ人が出てくる前なので、寂れた町に見えるかもしれませんね。
でも私は好きな風景です。
この駅前だけでも、遠野らしいこだわりを沢山見つけることが出来ます。

東北ぶらり旅 遠野編(4)味のあるこの駅舎、昭和二十五年(1950)に建築されたものを、そのまま使っています。

煉瓦風の重厚な駅舎は、平成十四年(2002)、東北の駅百選に選定されています。

実は、わが高崎にも、大正六年(1917)に改築した、けっこう味のある駅舎が昭和五十七年(1982)までありましたが、上越新幹線開通に伴って、のっぺりした駅ビルに姿を変えてしまいました。

東北ぶらり旅 遠野編(4)最近どこの駅前にも、モニュメントが建っていますが、遠野駅前のそれはちょっと趣きが違います。

池の中で語らっている河童の姿に、思わず、「おー!」と声を上げたくなりました。

遠野という町が持っている宝物は何なのか、町自身がよく考えていることをうかがわせます。

その証拠に、遠野の駅前には河童が沢山いるんです。
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郵便ポストの河童駅舎の屋根の河童河童の交番

遠野の行政は、河童を始めとする民話に、徹底してこだわります。
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バス乗り場観光協会ふるさと公社

こうなると、民間だって場違いな建物は建てられないのでしょう。
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日本通運居酒屋さん一般の民家

東北ぶらり旅 遠野編(4)日本通運前の広場に、「何だろう?」と思うものがありました。

モニュメント手前の、丸い井戸のようなものです。

近づいて覗いてみると、こんなのがありました。
うーん、やりますねー。

東北ぶらり旅 遠野編(4)駅前交差点の信号機も、なかなかやってくれてます。

高いところなので、うっかりすると見落としてしまいますが、てっぺんに何かあるのです。

実は、こんなのが乗っかってます。
このような遊び心というか、いたずらっぽいところが、いかにも遠野らしいと思います。

どなたの発案かは分かりませんが、このアイデアを実現した行政の方々の柔らかさに、敬意を表したいと思います。
(因みに、わが高崎にもありました。遊び心を持ったこんなのが。)

遠野駅前の一角には、町の由緒を書いた大きな看板が建っていました。
東北ぶらり旅 遠野編(4)
東北ぶらり旅 遠野編(4)


遠野の町も、地方都市のご多分にもれず、バイパス道路の開通に伴う郊外型大型店の進出が相次ぎます。
加えて、観光施設の郊外化も進み、町なかの観光客が減少するなどの、深刻な中心市街地空洞化がおきたようです。
対策として、平成十四年(2002)に「活性化センター」という集合店舗を開設したり、「町屋のひな祭り」というイベントを開催したりしますが、空洞化に歯止めをかけることはできなかったそうです。

そこで、平成十八年(2006)に、市民協働による「遠野まちなか賑わいプロジェクトチーム」を発足して、1年間かけて検討を進めました。
そして、結論付けた基本理念が、
「城下町・宿場町などの歴史風土と、遠野物語に代表される貴重な文化遺産を基盤としながら、市民とともに町づくりを進める」
ということだったそうです。
(遠野市文化政策部文化まちづくり推進室 佐々木憲康氏  
「中心市街地の活性化に向けて」より)

次回は、その中心市街地をご紹介したいと思います。




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Posted by 迷道院高崎 at 07:36
Comments(12)◆出・たかさき
この記事へのコメント
ウハァーッ!河童だらけですー。
遊び心は絶対必要ですね。旅人はぬくもりや、なんとなく
笑えるものを求めている、はず・・・。
画面で見せていただくだけでも楽しくなります。
高崎も、30年くらい前は素敵な駅舎だったのですねー!
もったいない。。。
町全体が同じ方向を向いているのって、
できそうでできない、すごいことですね^^。
Posted by 風子  at 2010年06月09日 09:11
>風子さん

勿体なかったでしょー?高崎駅。
ほんと、そう思うんですよ。
せめて、前半分残したまま後ろにビルを建てられなかったものかと・・・。

町全体が同じ方向を向くには、「それしかない」というのが必要みたいですね。
高崎は、あり過ぎちゃうんだと思うんです。
「過ぎたるは及ばざるが如し」
敢えて、何かひとつに絞る必要がありそうです。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年06月09日 09:23
迷道様、さすが民話のふるさと遠野ですねー。
お写真の数々拝見して、おしらさまや座敷童や河童など何かこう「北国へのあこがれ」と旅情をかんじますねー。
さて、我が高崎、先月の上毛新聞のひろば欄にも「高崎今昔」という拙文を書かせてもらいましたが、なんかモントレーもよろしいですが、昔の風情ある町並みがなつかしい昨今であります。
Posted by 柏木沢の農家おじさん  at 2010年06月09日 19:36
>柏木沢の農家おじさん様

えっ!?
上毛新聞、見逃しちゃったんでしょうか?
ひろば欄は必ず目を通すんですが、もしかしてぶらり旅中の新聞だったんでしょうか。
図書館で探さなくっちゃ。

「昔の街並み」が、一部の人の懐古趣味を満足させるだけでなく、そこに住む人々の誇りとなり、観光客への魅力となって、それらの人々が幸せな気分になれたら、素晴らしいなーと思っています。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年06月09日 20:56
まあ、本格的人口減少時代はすぐそこです・・・・・

で、2050年までに30%から減少するわけですから、地方都市は大変です。
まっ、高崎市なんかも、土建業のために外へ外へとかで平成の大合併でしたけど・・・・

収縮を前提の街中の活性化こそが都市計画では。

友人が吉井の南陽台にいますけど、アソコですら高齢化だそうです(笑)。
リサイクルしませんね、新興住宅地は・・・・・

岐阜もよく行きましたけど、岐阜なんかは駅を降りるとソコは繊維問屋街でした。
高崎の問屋町ですけど、今や、変質してます。
問屋町創ったことが果たして良かったのかどうか???

吉野籐やら、国光やら、正木屋やらが織成していたころの街並みはソレは賑やかでした。

まあ、40年サイクルでしょうか、街は変貌します。
Posted by 昭和24歳昭和24歳  at 2010年06月09日 21:03
>昭和24歳さん

私も、道路拡張で郊外へはじき出された口ですが、その郊外も今やスカスカになって来ました。

超新星爆発後に出来るブラックホールのように、またみんなが吸い込まれるように戻ってくるような、そんな町なかになるといいですね。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年06月09日 21:43
”高碕の町を考える集団”が新たに形成されつつありますね。
すばらしいことですね。 
思いを、形に繋げたいですね。 
Posted by 捨蚕捨蚕  at 2010年06月10日 05:23
いえ、迷道院様、たいした投稿文ではございません。記録を見ると、4月30日に送稿しましたのでたぶん1週間かそのあとくらいの掲載だったでしょう。自分の掲載日も定かでありません(笑)もし図書館へお立ち寄りでしたら、ぜひご笑覧下されば幸いです。\(^0^)/
Posted by 柏木沢の農家おじさん  at 2010年06月10日 05:27
>捨蚕さん

そうですね、「考える集団」の広がりが必要だと思います。
いろいろな立場の人が、同じ方向を向いて、考えたり話したりできる場を作りたいですね。
先日、紫文師匠にもいろいろヒントを頂きました。
皆さんのお力を、お借りしたいです!
よろしくお願いいたします!
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年06月10日 07:31
>柏木沢の農家おじさん様

あ、わかりました。
その頃の新聞、探してみます!
ありがとうございました!

見逃しちゃって、ごめんなさい。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年06月10日 07:34
「こんなの」は、
もっと作ってほしいものです
地方の街で
こうゆう物って、硬い頭では、OKがでないものですよね
Posted by キューピーキューピー  at 2010年06月10日 20:21
>キューピーさん

はい、「こんなの」欲しいです。

誰かが始めれば、続いてやる人が出てくるんでしょうね。
「ペンギンのジレンマ」という話を思い出しました。

ペンギンは餌をとるために海に飛び込みたい。
でも、海にはペンギンを食べようと狙っている動物がいて、最初に飛び込んだペンギンほどリスクが高い。
だからみんな、誰かが飛び込んだら飛び込もうと待っている。

誰か、飛び込む人いないかなぁ。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年06月10日 21:05
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