2010年05月28日

東北ぶらり旅 遠野編(2)

東北ぶらり旅 遠野編(2)遠野へ行くからには、河童でも捕まえて一儲けしようと、捕獲許可証を買って「カッパ渕」へ向かいました。

許可証の裏を見ると、
「カッパ捕獲7ヶ条」というのが記載されていました。
  1.河童は生け捕りにし、傷を付けないで捕まえること。
  2.頭の皿を傷つけず、皿の中の水をこぼさないで捕まえること。
  3.捕獲場所は、カッパ渕に限ること。
  4.捕まえるカッパは、真っ赤な顔と大きな口であること。
  5.金具を使った道具でカッパを捕まえないこと。
  6.餌は新鮮な野菜を使って捕まえること。
  7.捕まえた時には、観光協会の承認を得ること。

だそうです。
東北ぶらり旅 遠野編(2)
捕獲を前に緊張したせいか、小用を催してトイレを探すと、「河童の厠」というのがありました。

近くに人間用のが見当たらなかったので、河童と鉢合わせすることを覚悟して、使わせて頂きました。
東北ぶらり旅 遠野編(2)すっきりして渕まで行くと、看板が出ていました。

「かっぱさんに引き込まれないように
 特に美人の方注意
まぶりっと」

「まぶりっと」というのは「守り人」のことだそうです。
東北ぶらり旅 遠野編(2)
その傍には、釣り竿タモ網が置いてありました。

エサは、胡瓜だそうです。
東北ぶらり旅 遠野編(2)



この日は雨で水は濁り、水量も多かったせいか、あるいは美人がいなかったせいか、河童は姿を現しませんでした。

「捕獲許可証」の有効期間は1年間なので、それまでにもう一度訪れて、何とか捕獲しなければなりません。

東北ぶらり旅 遠野編(2)ところで、この日泊まったホテルで、語り部の高橋ノブさんが「河童淵」の民話を語って下さいました。

昔あったづもな(そうだ)。
土淵の新屋づ家の裏にとっても深い淵があったど。
ある夏の暑い日、その家の若い者が、馬の足を冷やしてやるべと、淵へ馬を連れでって、そのまんま遊びさ行ってしまったんだど。
そしたら河童が出て来て、その馬を淵さ引き込むべとしたづもな。
してば(すると)馬たまげて、河童引きずったまんま、馬屋さ飛び込んだんだど。
今度は河童の方がたまげて、馬の舟(かいば桶)をがっぱりひっくり返して、その中さ隠れたづもな。
家の人達、「何して馬ばり(だけ)帰ってきたべ。」と、不思議がって馬屋を覗いてみたづもな。
そしたら、舟がひっくり返って、べっこな(小さな)手が見えだど。
開けて見たっけ、河童だったづもな。
集まってきた村の人達は、「この河童、いつもいたずらして、ろくでねえから殺せ殺せ。」って言ったけど、でも、よく見たっけ、河童、手合わせていたったど。
ここの家の主人は、むじょやな(可哀そうに)と思って、「これからは、ここの淵で絶対悪いことすんなよ。」って許すことにしたんだと。
河童も、言うことを聞いて、そこからは遠く離れた奥沢の淵さ引っ越したんだとさ。
どんとはれ。


ってことは、「カッパ渕」には河童はいないってことですか?
え?
そうなんですか?

先人が素敵な民話を残してくれたおかげで、河童のいない「カッパ渕」へ、全国から観光客が来てくれるんですね。

わが高崎にもあるんですよ。
民話が、沢山!
使わない手はありません。


【カッパ渕】





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この記事へのコメント
迷道院様、旅立つ前に河童の対処法をご指導出来なかったのが残念です。
物の本によると、河童は大の相撲好きでして、河童と遭遇した場合、まず相手に相撲を申し込みます。そして取り組んだら河童の弱点である腕を思い切り引っ張ってください。腕は簡単に抜けて(ちょっと可哀想ですが)河童君は「参りました」と降参するそうです。
でもこの作戦は捕獲7ヶ条に引っかかってしまいますね。残念。
参考まで。
Posted by 柏木沢の農家おじさん  at 2010年05月28日 19:44
>柏木沢の農家おじさん様

だはははーっ!(^^)!
そうでしたかー。
いや、教えて頂いてなくてよかったかも知れません。
もし負けちゃったら、渕に引きずり込まれて「尻子玉」抜かれちゃう訳でしょ?
ただでさえ、腑抜け男なんですから・・・。

旅行中ずーっと雨で、河童より、合羽が欲しかったです(^^)
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年05月28日 20:13
民話や不思議話、楽しいですねー。
遠野の方たちも「捕獲許可証」を作ったり、釣り竿を用意したり、、、やるなら、これくらい徹底してやらなきゃいけないんでしょうね。
(許可証にちゃんと迷道院さんの名前入り・・・と手が込んでいるところも、私好みです^^。)
「特に美人の方注意」・・・草津方面から峠を越えて帰り道に「化粧落とすな、スピード落とせ」と書かれた看板を思い出しました。(スミマセン、全然関係ないですね^^ゞ)
民話でも何でも遺されたものを上手に使って、町おこしに役立たせることができたらいいですよね。
Posted by 風子  at 2010年05月29日 12:39
井上ひさしファンから一言。
彼の「新釈 遠野物語」を思い出しました。
初版は1976年です。
恥ずかしい話、本家の柳田國男の「遠野物語」を読んでいないのですが
この新釈遠野物語は面白かったです。
この中の「川上の家」では、
河童は変幻自在で
何にでも化けるとあります。
これは井上さんの創作ですが、本気にさせて読ませてしまうところが凄いところです。
         参考までに
Posted by いちじん  at 2010年05月29日 16:34
>風子さん

そうですね、いい意味での「こだわり」と、粋な「洒落」が必要だと思います。

交通安全の洒落た看板、いいですねー!
あと、どこかで「脇見をするな、美人はいない」なんてのもあったような・・・。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年05月29日 19:05
>いちじんさん

河童は、民話でも小説でも漫画でも取り上げられて、それだけでも変幻自在だというのが分かりますね。

私は、芥川龍之介の「河童」が印象に残ってます。
特に、生まれてくる河童に、生まれてきたいかどうか聞く場面が・・・。

恥ずかしながら、柳田國男の「遠野物語」も、井上ひさしの「遠野物語」も読んでません。
読まなくっちゃかな・・・。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年05月29日 19:18
河童というと・・・と身を乗り出して・・・。

隠士、過日はお世話様でした。

過日の元景寺がらみで、かつ利根川の河童。

前橋人としては、佐藤垢石の河童の話を忘れるわけにはいかないので一席。

>俺は、若いころ河童の宴会を見物したことがある。まだお前が生れない前の話だ。お前もあの利根川の源景寺(*元景寺を思わせる・・・夢寅 独り決めして註)渕に続く河原へ遊びに行つたことがあるだらう。あの河原の、萱の叢のなかで河童の宴会が開かれたのだ。
 或る夕方利根川へ鮎釣に行つて帰るさ、あの河原を雑木林の坂の方へ歩いて行くと、叢のなかでひそひそと話し声が聞える。そつと覗いてみると五六匹の河童が、酒盛の最中であつた。貧乏徳利を囲んでひどく上機嫌にやつてゐる。源景寺渕に、昔から棲みかをなす九千坊の一族だらう。酒の肴は鯉、鯰、鮎、鮒、鰍などふんだんに平石の上に置いて、差いつ押へつ大した景気だ。俺は、この珍況に思はず見とれた。
・・・

河童酒宴
(かっぱしゅえん)
著者名: 佐藤 垢石 
http://www.aozora.gr.jp/cards/001248/card46517.html

青空文庫ですから、無料で読めます。
佐藤垢石のwikiも青空からリンク。

佐藤垢石の作品と愛用の身の回り品を集めた記念コーナーが前橋文学館にあります。
もはや忘れられた存在ですが、戦前~戦後の著名なエッセイストです。
「鮎の友釣り」「たぬき汁」など、釣りを中心とした多くの名随筆で有名ですが、郷土への想いを綴った文章は今でも上州人に滲みるものがあると思います。


「老狸伝」など、前橋と狸の関係する逸話を夜話のように書いています。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001248/card46757.html

長文になってしまいました。

  夢寅 長口舌お詫びして 拝
Posted by 夢寅  at 2010年05月30日 10:16
>夢寅さん

先日の総社資料館見学、大変お世話になりました。
面白い話と、興味深いものを見られて、とても楽しかったです。
ありがとうございました。

で、佐藤 垢石のお話し、さすが博識・読書家の夢寅さん!
よくご存知なんですね。
教えて頂いてありがとうございました。
青空文庫、読んでみます。

確か、前橋上新田町の雷電神社境内に、垢石の碑がありましたね。
「たぬき汁」と「鮎釣り」の話が刻まれていたように思います。
Posted by 迷道院高崎迷道院高崎  at 2010年05月30日 19:16
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