2021年03月28日

史跡看板散歩-222 大和田の化粧水(3)

「大和田の化粧水」の取水口を探しに、上室田町大和田へやって来ました。


「滑川」は、ここでは「大和田沢」と呼ばれているようです。


川べりへ下りてみると、「滑川」の本流から分かれている細い流れを見つけました。
あ、ここが「化粧水」の取水口かと、余りにもあっけない発見に、嬉しいような、物足らないような、ビミョーな気分です。


ところが、その流れを辿って行くと、また本流に戻ってしまいました。
ありゃ。


がっかりして川べりから上がってくると、なんと!段々畑の中腹から滾々(こんこん)と水が流れ出てるじゃありませんか。


そして、細い水路を勢いよく流れていくじゃありませんか。
水路は、ずーっと先まで続いています。


一度、地面の下へ潜りますが。



また出てきて、先の方まで流れていってます。


やがて水路は、「滑川」の河岸段丘のへりを進んで行きます。



水路の巾や水量、流れていく方向からして、これが「大和田の化粧水」と思って間違いないでしょう。
前回、下流側から辿ってきて見失ってしまった水路は、「滑川」に沿って来ていたんですね。

さて、そうなると、どうしても見つけたいのは「滑川」からの取水口です。
段々畑から出ていた水の位置からすると、取水口はもっと上流のようです。

「滑川」に架かる、名前のない橋の上流を探してみることにしました。


右岸を160mほど行くと、本流から分かれる細い水路がありました。

ただ、あまりにも頼りない程の細さで、違うかなぁという気持ちの方が強くなります。

擁壁に沿ったコンクリート製の細い水路を流れている水は、少し先でやはり本流に戻ってしまっています。


しかし、よーく見ると、右奥に暗渠の水路があって、水はそちらへも流れ込んでいます。


暗渠は、右岸の道の下を通っているようです。


おそらくこの後、水はずーっと暗渠の中を隠れ下って、段々畑の中腹でその姿を現すのでしょう。
そして、2km離れた「上の原」まで流れ下って行くわけです。

細い水路とはいえ土木機械もない時代、さぞや難工事だったことでしょう。

娘を思う父の愛情の深さと強さを実感できた、「大和田の化粧水」でした。


【大和田の化粧水 取水口】

【段々畑の化粧水出口】


  


Posted by 迷道院高崎at 07:48
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