2018年11月25日

史跡看板散歩-117 旧第二国立銀行と茂木銀行跡

普通に歩いていたら、まず気付かないと思います。


こんな奥まった所に建ってるんで。



明治三十年(1897)の地図で見ると2つの銀行はこんな位置関係で、史跡看板は「第二国立銀行」の跡に建っていることになります。


この二つの銀行開業に大きな力を果たしたのが、高崎出身の茂木惣兵衛(もぎ・そうべえ)です。
茂木氏は横浜在住ながら、高崎最初の図書館設立や八幡八幡宮の「唐銅燈籠」寄進など、高崎発展のための援助を惜しみなく施した人物です。

しかし不思議なことに、というか残念なことに、そのことを知る高崎市民はあまり多くなさそうです。

高崎にはありませんが、遠く熱海の梅園には茂木氏の功績を称える大きな顕彰碑が建っています。
過去記事「惣兵衛の梅」で、茂木惣兵衛という人物の人となりを知って頂けたら嬉しいです。

看板には「横浜興信銀行」の写真が載っていますが、その前身「茂木銀行」の姿が明治三十三年(1900)発行の「高崎市街商家案内寿語録(すごろく)」に描かれています。


絵の右端に描かれている茶色のレンガ塀(着色は迷道院)は、現在常盤町「山田文庫」に移築され現存しています。


移築された経緯ははっきりしませんが、「第二国立銀行」「茂木銀行」の歴史を見ると、何となく分かってきます。
過去記事「和風図書館と茂木銀行」をご覧ください。

そしてこれは余談ですが、高崎には茂木惣兵衛が経営していた製糸所もあったんです。
  ◇高崎の絹遺跡(第三話)

高崎の偉人として、もっと知られてよい人物ではないでしょうか。


【旧第二国立銀行と茂木銀行跡の史跡看板】